旧小泉中に応募3者 旧白山小は来月着工(気仙沼市 旧学校施設の民間活用状況)

[2021/1/9 宮城版]
 気仙沼市は、旧学校施設の利活用に向けて民間事業者から提案を募集し、旧小泉中学校に3者から申し込みが寄せられたことを明らかにした。年度内に審査して1者に絞り込む予定。すでに角星(気仙沼市)に譲渡済みの旧白山小学校は、同社が清酒製造場として利用するため、来月にも改修工事に着手する見通し。応募がなかった学校のうち、旧小原木小学校の校舎は解体する方向で検討している。
 民間事業者から提案を募集したのは、旧白山小学校、旧浦島小学校、旧馬籠小学校、旧小原木小学校、旧小泉中学校の5校。地元の雇用創出や、地域住民間の交流機会の拡大を図ることなど、地域の活性化につながるような事業提案を求めた。
 旧小泉中は、所在地が本吉町平貝123で、敷地面積が9201平方m。RC造2階建て延べ2650平方mの校舎、同1521平方mの体育館、テニスコートなどが残っている。校舎と体育館は1998年に竣工した。テニスコートは募集の対象外。
 校舎はエレベーターや多目的トイレ、スロープが備わるバリアフリーに対応した造りで、多目的ホールには映写スクリーンなどの放映音響設備が完備されている。太陽光パネルもあるほか、約40台の駐車場が設けられている。
 市によると、3者から利活用の申し込みが寄せられたため、事業の継続性や地域とのかかわり方などを審査し、年度内に優先交渉事業者を決めたい考え。その後、事業者に地元説明を行ってもらい、そこで同意が得られれば仮契約を結び、市議会での承認を経て正式契約となる見通し。
 旧白山小は、上東側根245に位置しており、敷地面積が5884平方m。建物は、RC造2階建て延べ1638平方mの校舎、S造平屋357平方mの体育館、プールなどが残っている。校舎は1975年に建設された。
 角星は、校舎の1階と体育館を工場や事務所に活用し、校舎の2階を従業員の休憩所などに使う意向。校庭は駐車場や、搬出入用のトラックの回転場として活用する。改修工事の施工は、同市古町1丁目に本社を置く地元企業と仮契約を結んでおり、来月中旬くらいに着工し、9月ごろの完成を予定している。
 旧小原木小は、昨年に期間を区切って応募を受け付けたが、申し込みがなかった。学校は唐桑町岩井沢97-3に位置しており、RC造2階建て延べ1128平方mの校舎、体育館、校庭、プール、付属棟、駐車場などがある。
 校舎は解体する予定だが、今後に利用したいという問い合わせなどがあれば、それに応じる可能性もある。体育館は市の文書庫として継続利用する。
 二ノ浜地区の旧浦島小は応募がなかったため、今後の扱いを検討する。本吉町の旧馬籠小は正式な申し込みはないものの、興味を示している民間事業者がいるため協議中。現在は全て民間公募をいったん取り止めている。
 

旧水梨小はNPO法人に貸付け

 市はこのほか、公募対象になっていなかった旧水梨小学校の校舎について、NPO法人の水梨かふぇ(気仙沼市)に貸し付けることを決めた。同法人は障害児の福祉施設として校舎を活用する。
 同法人によると、1000万円ほどかけて防災設備やエアコンの設置、トイレの改修などを行う。地元企業の施工で今月に着工し、来月末までの完了を目指す。完成後は、同法人が運営している多機能型事業所「いっぽ」の機能を旧水梨小の方に移す。

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