実施設計に着手へ 匝瑳・今泉 家畜保健衛生所を集約(県畜産課)

[2021/2/10 千葉版]
 県畜産課は、2021年度予算案で家畜保健衛生所3カ所を集約する事業に1億1879万円を計上するとともに、22年度までに限度額1億5800万円の債務負担を設定している。年度内にとりまとめる基本設計を踏まえ、実施設計や解体工事に着手する方針。22年度の着工を目指す。

 県内畜産農家が集中する香取・海匝地域の防疫活動体制の強化を図るため、老朽化が進んでいる東部家畜保健衛生所、北部家畜保健衛生所、中央家畜保健衛生所佐倉支所を移転集約し、基幹家畜保健衛生所(仮称)を整備する計画。総工事費は約27億円を見込んでいる。

 建設予定地は匝瑳市今泉地区の県農林総合研究センター砂地試験地跡地。都市計画区域外で、敷地面積は約1万平方m。施設は2~3階建ての本館(延べ面積1940平方m)や解剖・焼却施設(同250平方m)、倉庫棟(同500平方m)、車庫棟(同215平方m)、鶏小屋(同20平方m)などで構成する計画だ。

 基本設計業務を千都建築設計事務所(千葉市美浜区)に委託。同業務では、建築(意匠・構造)、電気設備、機械設備(昇降機)、外構の基本設計のほか、工事費の概算や各種技術資料(経済比較・工法検討資料など)の作成を進めている。履行期限は3月19日まで。

 今年度、基本設計とともに地質調査や建設予定地の解体設計を進めている。21年度に実施設計をとりまとめるほか、解体工事を実施。22年度の着工、24年度の供用開始を目指している。

 基幹家畜保健衛生所の基本方針をみると、BSL3に対応した施設を整備し、迅速・正確な病性鑑定を行うための設備・機器を配備する。業務に必要な十分な広さを確保し、病性鑑定機能を強化する。

 周辺環境対策を考慮した解剖施設や焼却施設を整備していく。出入り車両や人、物の動線を考慮し、施設・敷地全体でバイオセーフティ対策を施した設計とする。

 家畜伝染病発生時の必要資機材を可能な限り一元化し、迅速に搬出できるよう考慮した備蓄倉庫を整備する。家畜伝染病対策の危機管理拠点としての機能を強化する方針だ。

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