[2021/2/27　千葉版]
　県内37市の2021年度当初予算案が26日までに出そろった。一般会計予算の総額は前年度と同規模の2兆2772億9857万円。このうち普通建設事業費は前年度比11・1％減の2064億1123万円となった。国の第3次補正予算関連事業を20年度補正予算案に前倒しで計上している自治体が目立つ。新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい財政状況を踏まえ、緊急性の低いものは先送りとするなど事業内容を精査した自治体もある。

　各市の一般会計予算額と普通建設事業費は表の通り。市長選挙を控えていることから、銚子、八千代、鴨川、浦安4市が骨格予算、千葉市が準骨格予算での編成となった。これらの自治体については、市長選後の補正予算で肉付けする予定だ。

　普通建設事業費をみると、17市が増加し、20市が減少した。トップは千葉市の451億1155万円。100億円を超えたのは、柏、松戸、市川、流山4市となっている。

　最も伸び率が大きかったのは我孫子市(前年度比178％増)。新クリーンセンターの整備を本格化するほか、生涯学習センターや近隣センターの改修、湖北台保育園の建て替えに必要な予算を計上している。

　富里市(同155％増)が続く。旧岩崎家末廣別邸隣接地に観光・交流拠点を設計・施工一括(DB)方式で整備するため、事業費を確保する方針だ。

　このほか、君津市(同66％増)で衛生センター整備事業、袖ケ浦市(同59％増)で庁舎整備事業の工事が本格化する。南房総市(同50％増)では、千倉中学校の校舎改修事業や道の駅「富樂里とみやま」の大規模改修事業に着工する予定だ。

　一方、伸び率が最も小さいのは鴨川市(同83％減)。市長選挙を控えていることから普通建設事業を絞った。次いで佐倉市(同75％減)となり、小学校トイレ改良事業や佐倉図書館等新町活性化複合施設整備事業(仮称)を前倒しする。

　今後の大型事業をみると、四街道市では、延期していた市庁舎の建て替えが動き出す。実施設計に着手し、国の交付金を活用するため、22年度中の着工を目指す。松戸市は、市役所の再編整備に向けて、市役所のあり方や機能を検討し、基本計画を進めていく。

　習志野市では、新清掃工場の建て替えに向けて基礎調査に乗り出す。千葉市では花見川図書館とこてはし台公民館の複合化に向けた実施設計に着手する。市原市では八幡宿駅西口の複合施設や新たな調理場の整備に向け、PFIアドバイザリー業務を委託する予定だ。