漁港工事26件追加 気仙沼で陸閘工事など 発注予定を更新(宮城県)

[2021/5/8 宮城版]
 宮城県は5月7日、更新した2021年度発注予定を公表した。水産林政部が所管する漁港関連の建設工事26件と、建設関連業務11件を追加した。ほとんどが東日本大震災に関する復興事業の継続工事となっている。気仙沼漁港(気仙沼市)では陸閘などを遠隔操作するための被制御局を整備するとともに、魚市場地区など3地区の防潮堤に陸閘を据え付ける。

 追加した建設工事26件は▽仙台▽東部▽気仙沼──の各地方振興事務所管内で実施する復興関連の残工事が主体。年度当初に発注ロットがまとまらなかったため、改めて残工事を精査して発注ロットを確定させた。震災復興以外では、漁港の長寿命化に係る工事を発注する。

 26件のうち、気仙沼地方振興事務所管内の工事は16件と、6割以上を占めている。気仙沼市潮見町の護岸整備では、今月中に「気仙沼漁港一景島護岸ほか災害復旧工事その2」の一般競争入札を公告する。延長306mを復旧する。

 陸閘・水門を遠隔監視・操作するための施設整備では、10月に「気仙沼漁港陸閘・水門被制御局建築ほか工事その2」を発注する。小々汐(こごしお)地区など4カ所に、被制御局を整備する。工種は建築一式工事。概算工事費は3億5000万円を見込む。

 気仙沼漁港では、魚市場地区と浪板地区、大浦地区で陸閘の製作・据え付け工事を発注する。3地区のうち、大浦地区では6月に2件を発注し、計6基を設置する。魚市場地区では8月に1件、10月に1件を発注し、計4基を設置。浪板地区では9月に2件を発注し、計5基を設置する。

 震災津波の影響で東防波堤の一部が倒壊した塩釜漁港(塩釜市)では、8月に「塩釜漁港東防波堤改築(その1)工事」と「塩釜漁港東防波堤改築(その2)工事」の一般競争入札を公告する。

 塩釜市魚市場の東側にある東防波堤(延長1323.2m)は、海中に杭基礎を打ち込んで上部工を設置している。2019年4月に、防波堤の120m部分が倒壊した。震災津波で杭基礎の下部が洗掘され、それ以降の波浪などで杭の強度が弱くなったと見られる。

 倒壊した部分は縁切り工事を行い、その後、復旧済み。宮城県は倒れなかった部分についても、2024年度までに段階的に補強する。本年度はその1工事とその2工事で、それぞれ延長100mを改築する。杭基礎の巻き立てなどが予定されている。工期は約12カ月、概算工事費はもとに4億9000万円と試算している。

 東部地方振興事務所管内では、雄勝漁港(石巻市)の防潮堤を建設する。8月に「雄勝漁港雄勝防潮堤災害復旧(その11)工事」と「雄勝漁港雄勝防潮堤災害復旧(その12)ほか工事」の一般競争入札を公告する。施工地はともに石巻市雄勝町雄勝字船戸神明。その11工事の施工延長は230m、概算工事費は4億6000万円。その12ほか工事は施工延長が120m、概算工事費が2億9000万円を予定している。

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