[2021/6/12　宮城版]
　新中学校の整備事業をBTO方式で実施する宮城県美里町は6月11日、整備事業の募集要項を発表した。設計や工事、建設後の維持管理を行う企業グループを対象に、参加表明書を8月13～27日に受け付ける。年内に優先交渉権者を選定し、来春からの工事着手に備える。校舎棟や体育館、グラウンドなどの整備に、契約額の上限を税込み51億1364万6000円に設定した(別表参照)。

　美里町が公募する事業は「美里町新中学校整備等事業」。町は既存の中学校3校を統合し、JR小牛田駅から450mほど東側となる新峯山の水田約3.8haに新中学校を整備する。民間企業のノウハウを生かすため、学校施設の建設とその後の維持管理、既存中学校のうちの2校の解体と跡地の利活用検討について、公募で選定した事業者に事業を任せる。

　事業に応募できるのは、▽設計業務▽建設工事と解体工事業務▽工事監理業務▽維持管理業務──をそれぞれ担当する企業で結成するグループ。条件として、設計の担当者は「1級建築士事務所の登録」と「測量・建設コンサルタント等の入札参加資格」、「過去10年以内に延べ5000平方ｍ以上の公共施設・教育施設の実施設計を行った実施」を有していなければならない。

　工事の担当者は「特定建設業の許可」と「建設工事の入札参加資格」、「過去10年以内に元請として延べ5000平方ｍ以上の公共施設・教育施設を施工した実施」が必要。工事監理の担当者は「1級建築士事務所の登録」、維持管理業務の担当者は「物品製造・販売・役務提供等の入札参加資格」が必要となっている。

　事業への参加表明書を8月13～27日に持参または書留郵便で受け付ける。提出先は建設課。町は参加資格を確認後、通過者には9月3日までに通知する。通過者には提案書を9月27日～10日4日の間に提出してもらう。

　プレゼンテーションなどの審査を、11月下旬に実施する予定。それを経て、11月下旬～12月中に優先交渉権者を特定する。優先交渉権者とは年明け1月中に基本協定を締結する。

　事業期間は、事前調査と設計、工事が2022年4月～25年2月まで。校舎棟などの学校施設を25年2月末までに引き渡してもらい、同年4月の開校を目指す。町は契約額の上限を51億1364万6000円、下限を46億0228万1400円(ともに税込み)に設定した。

　また、維持管理事業の事業期間は25年3月～40年3月末までの15年間。この間の維持管理費として、町は6月補正予算で限度額を51億2000万円とする債務負担を設定した。

　町は6月11日に、整備事業に関する要求水準書なども公表した。それによると生徒数は565人を想定し、1学年を7クラス(全21クラス)とする。校舎棟はこれを収容する規模として、RC造3階建てを基準に仕様を検討する。普通教室をはじめ、特別支援教室、多目的教室、職員室、会議室、保健室などを備える。

　体育館はバスケットボールとバレーボールができる2面を確保し、ステージや放送室、用具庫などを備える。武道場を体育館に併設する。

　グラウンドは野球やソフトボールができる1面と、サッカーコート1面、人工芝のテニスコート3面を備える。200mトラックなども備える。

　整備地は水田のため、学校施設の建設前に載荷盛土などの地盤改良が必要な状態。特定した事業者には、来春以降に地盤改良に着手してもらい、その間に建物などの設計を進めてもらう。地盤の沈下が安定してから、敷地の造成工事に取り掛かる。

　町は事業者の公募に先がけ、6月21日にウェブ配信による事業説明会を行う。参加者を6月18日まで受け付ける。問い合わせ先は建設課(☎0229-33-2143)まで。