「地域課題解決へ全力 職場環境の整備に意欲」(池口正晃氏県土整備部長就任インタビュー)

[2021/9/7 千葉版]
20210907c 県土整備部長に就任した池口正晃氏が本紙インタビューに応え、「地域の課題に社会インフラで解決するため、全力で取り組んでいきたい」と抱負を語るとともに、地元を良くしたいと強い思いをもつ建設業の魅力発信や、週休2日制の導入など職場環境の整備に意欲を示した。

──これまで携わってきた仕事は。

 「主に道路行政に携わってきた。国土交通省では道路局で道路事業の新規事業化など分析評価、滋賀県では土木交通部長として県全体の道路行政を担当した。東北地方整備局では企画調整官として東日本大震災の被災者支援などの対応に当たった」

──千葉県との関わりと印象は。

 「本省時代は都内に住んでいたため、こどもを連れて、アクアラインを通り、マザー牧場に行った思い出がある。関東地方の行政は初めてとなるため、県内を視察しながら、もっと勉強しなくてはいけない」

 「生まれ育った京丹後市は地理的に京都府の最も北側にあたり、子どものころは府内の移動に道路でも鉄道でも相当時間がかかった。千葉県も同じように面的な広がりがある。また、海に囲まれているため、長い海岸線をもつ印象だ」

──就任の抱負は。

 「地域ごとに固有の風土や課題があると思う。これまで先人が取り組んできたご苦労に報い、県土整備部の職員の皆さんともに、社会インフラで少しでも課題を改善できるよう全力で取り組んでいきたい」

──重点的に取り組みたいことは。

 「台風など災害が激甚化しており、毎年、全国のどこかで大きな災害が発生している。東日本大震災などの教訓も踏まえ、県民の人命を守るため、責任感をもって強靭化を進めていく。併せて、防災情報の提供等の見える化にも取り組み、総力戦で臨みたい」

 「建設業界は社会経済活動を進めていくためのインフラ整備のほか、地域を守る防災の面からも大きな役割を担っている。地元を良くしたいと強い思いをもつ建設業の魅力を発信するとともに、週休2日制の導入など職場環境の整備にも取り組んでいきたい」

──デジタル・トランスフォーメーション(DX)やICT施工の導入をどう進める。

「まだ、建設業界からは、やり方が分からないなどの意見が出されている。関東地方整備局では関東DX・i-Construction人材育成センターを開設し、研修などが行われている。本県でも、どう適用すると有効なのか本格的に検討したい」

──建設業界に求めることは。

「地域のために、昼夜を問わず献身的に取り組んでいただき、大変感謝している。鳥インフルエンザの対応でも多大な貢献をしていただいた。建設業界では担い手の確保や働き方改革など、さまざまな課題があるが、皆さんの意見を聴きながら、ともに乗り越えていきたい」

■プロフィル
いけぐち・まさあき

京都府京丹後市出身。1968年10月23日生まれの52歳。94年3月に京都大学大学院工学研究科交通土木工学専攻を修了後、同4月に建設省に入省。近畿地方整備局や本省道路局、東北地方整備局、滋賀県土木交通部などに勤務し、2018年7月から中部地方整備局道路部長、20年4月から近畿地方整備局企画部長を歴任。7月15日付で現職。仕事上のモットーは「誠実」と「謙虚」。クラッシックギターが趣味で、休日には練習を欠かさない。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.