市施設8棟耐震化へ 建築物耐震改修計画案 防災重要路線指定も検討 那須塩原市

[2021/09/28 栃木版]

 那須塩原市は27日までに、計画期間を2021~25年度の5年間とする市建築物耐震改修促進計画三期計画の素案をまとめた。同案によると、25年度の耐震化率について、市内の住宅や多数の者が利用する建築物は95%、防災上重要な市有建築物は100%にする目標を設定。防災上重要な市有建築物は、8棟を耐震化する。地震発生時に閉塞を防ぐべき路線や耐震診断を義務付ける路線についても、指定を検討するという。

 市は耐震化の目標について、住宅は20年度末の86%を25年度末には95%にする目標を設定。20年度における住宅総戸数は約4万6900戸と推計しており、このうち耐震性を有する住宅は約4万1950戸になると見込まれることから、今後、約2600戸の耐震化が必要になる。

 多数の者が利用する建築物は、20年度末で88%となっているのを25年度末に95%にする。20年度における総棟数は約365棟と推計しており、このうち耐震性を有する建築物は約330棟になるため、今後、約20棟の耐震化が必要になる。耐震化促進に向けては、所有者などへ耐震診断の必要性の周知や耐震改修の指導・助言などを実施するほか、特に耐震診断義務付け建築物については、補強計画策定および耐震改修などへの助成を行うとしている。

 防災上重要な市有建築物は、20年度末で98%となっているのを、25年度末に100%にする目標を設定する。防災上重要な市有建築物は20年度で348棟あり、このうち耐震化されていない建築物は8棟。これら8棟に対して耐震診断や耐震改修などを行い、原則すべての防災上重要な市有建築物を耐震化することを目指す。

 耐震化を促進するための施策としては▽耐震アドバイザーの派遣▽耐震普及ローラー作戦▽耐震改修工事現場等を活用した広報(耐震化実施の掲示など)▽耐震診断や耐震改修、通学路等にある危険なブロック塀等の除却などに対する助成-等の各種支援・周知などを実施する。

 県計画で、地震発生時に閉塞を防ぐべき路線について、市内の第1次緊急輸送道路は▽国道4号▽東北自動車道▽国道400号(大田原市境から国道4号交差点まで)▽国道461号(大田原市薄葉境から大田原市加治屋境まで)-となる。

 また、第2次緊急輸送道路は▽国道400号(国道4号交差点から日光市境まで)▽一般県道那須野が原公園線▽主要地方道大田原高林線(国道4号交差点から黒磯板室インター線まで)▽一般県道黒磯板室インター線▽一般県道黒磯高久線(国道4号交差点から那須町境まで)▽一般県道黒磯田島野線(黒磯高久線から道の駅「明治の森・黒磯」まで)-となっている。

 県計画で地震発生時に閉塞を防ぐべき路線や耐震診断を義務付ける路線については今後、緊急輸送道路や避難時に必要な道路などの状況把握に努めながら、指定の必要性を検討するとしている。

 地震被害軽減の安全対策としては▽外壁、窓ガラス等の落下防止対策の周知や改善の指導▽天井脱落対策で、脱落対策の新しい基準等の周知や改善の指導▽エレベーターやエスカレーターの脱落防止対策の新しい基準の周知および改善の指導▽住宅や建築物の定期的な点検の推奨-なども挙げている。

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