平準化の取り組み加速 入札担当が4項目申合せ(国交省や東北6宮城県ら)

[2021/12/18 宮城版]

技能者の処遇改善や円滑な施工確保に向けて意見交換した

技能者の処遇改善や円滑な施工確保に向けて意見交換した

 国土交通省や東北6県、北海道は16日、東北地方整備局で本年度下期の北海道・東北ブロック監理課長等会議を開催した。主に入札契約担当の課長らが出席し、公共工事の円滑な施工確保対策などについて議論。新・担い手3法に基づき、施工時期等の平準化の加速に向けた具体策など4項目に取り組むことを申し合わせた。

 会合には同省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の青木建吾課長補佐や、同局建政部の大竹将也部長、宮城県土木部事業管理課の木村嘉雄課長、宮城県出納局契約課の佐藤和博技術副参事兼総括技術補佐など26人が出席。

 主に▽技能者の処遇改善▽公共工事の円滑な施工確保▽災害復旧工事中における損害発生時の費用負担と経営事項審査の改正の方向性──などについて非公開で話し合ったほか、同省が建設キャリアアップシステム(CCUS)の取り組みを報告した。

 あいさつで大竹建政部長は、建設業の担い手確保・育成に向けた「技能者の処遇改善や公共工事の円滑な施工確保」の取り組みについて、各道県の出席者に対し「引き続き市町村への助言等をお願いする」と要請。併せて、処遇改善にはCCUSの普及促進を図ることも必要と呼び掛けた。

 青木課長補佐は、国交省が建設業界と一体となって働き方改革に取り組んでいることを紹介し、「(同省)本省と地方整備局、道県市町村の皆さんが連携を深めていき、認識を共有した上で取り組みを進めていくことが重要になる」と話した。

 会議では、技能者の処遇改善に向けて国交省が取り組んでいるダンピング防止対策、法定福利費と労務費の適正確保、週休2日と適正な工期の確保などに関する事例を紹介。さらに、円滑な施工確保対策として復興JVの制度化や、災害復旧工事における損害発生時の費用負担、経審の改正について検討していることを伝えた。

 災害発生時の費用負担は今回、各道県の出席者から賛同の意見を得たため、同省が意見を踏まえて今後に中身を詰める。経審の改正は、CCUSの現場導入、ワーク・ライフ・バランスの取り組み、災害対応で活躍する建設機械の保有状況、環境への配慮などに対する評価が検討されている。

 こうした情報を共有した上で、今回の会議では[1]ダンピング対策の強化を通じた技能労働者の処遇改善[2]公共工事の円滑な施工確保[3]都道府県公契連を活用した市区町村における入札契約改善[4]CCUSの活用促進──の4項目を申し合わせた。

 処遇改善では、最新の中央公契連モデルに則った調査基準価格等の設定や、低入札価格調査の実効性確保に努める。併せて、法定福利費が適切に計上されているかについて請負代金内訳書を確認することで、技能労働者の処遇改善に努める。

 円滑な施工確保では、施工時期等の平準化を加速するため、債務負担行為の活用や速やかな繰り越し手続きの実施など、具体的な取り組みを推進する。取り組みが進んでいない市区町村に対しては、国や都道府県が連携して積極的な働きかけや助言に努めることとした。

 入札契約改善では、平準化やダンピング対策などについて、本年度から原則全ての都道府県において都道府県公契連を開催し、国による市区町村への直接的な働きかけや情報共有を通じ、取り組み改善を一層推進する。

 CCUSは、CCUSU推奨モデル工事や総合評価での加点措置など、先行事例を参考に、公共工事におけるインセンティブ措置の導入に努める。その導入に対しては必要な支援を講じる。

 平準化に関しては、取り組みが遅れている主に人口10万人未満の市区に対して個別にヒアリングを実施している。会議の出席者からは、庁内全体で平準化の意義や具体的な取り組み内容を共有する必要があるという意見が出された。

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