県こども政策課 大規模改修に意見募集 子ども総合科学館 23年度から工事着手

[2021/12/23 栃木版]

 県こども政策課子育て環境づくり推進担当は22日から、子ども総合科学館(宇都宮市西川田町567)の大規模改修に向けた基本的な考え方を公表し、パブリック・コメントを開始した。それによると、改修コンセプトには「未来に生きる自分を想像/創造する」を設定し、展示物・プラネタリウムの改修をはじめバリアフリー化や自然豊かな敷地を生かした屋外施設の設置などを想定する。このあとはパブリックコメントや各種調査の結果を踏まえて改修内容の詳細を検討し、2022年3月に基本設計書の作成・公表、22年度に実施設計、23年度に改修工事着工を予定している。

 県は現在、公募型プロポーザルで選定した乃村工藝社(本社・東京都港区)に委託して、22年3月22日までの期限で子ども総合科学館改修に係る基本設計の作成を進めている。今回は、これまでの検討状況をまとめた「栃木県子ども総合科学館改修に向けた基本的な考え方」を公表し、県民の意見を求める。

 県子ども総合科学館は1988年に開館し、2020年度末までに延べ1606万人が訪れる人気の施設。一方で、開館から33年が経過し、一部の展示物や設備は時代の経過で陳腐化し、また、老朽化に伴う不具合の発生や修繕のための部品の調達が困難などの理由で、利用中止を余儀なくされている状況にある。

 この間、社会・経済環境は著しく変化する中、最新の科学技術を反映させ子どもの好奇心をかき立てる施設であることなどに配意して改修することが必要として、2024年度以降のリニューアルオープンを目指して改修の基本設計をとりまとめる。なお科学館は別途、長寿命化工事、特定天井工事および省エネ改修工事(照明のLED化)を予定しているが、これらは別の計画に基づいて実施する。

 科学館は敷地面積16万7585.42平方mで、建物面積は6258.44平方m(庇・ピロティを含めると7121.79平方m)。建物(本館)はSRC造地上2階建て、延床面積1万0000.44平方mの規模で、プラネタリウムを内包し屋上には天文台が設置されている。また屋外には、乗り物広場や遊びの広場、冒険広場、水の広場、催し広場、風の広場、駐車場などを配置している。

 開館後30年以上が経過して、特に展示物やプラネタリウムといったハード面を中心に全体的な老朽化・陳腐化などが認められる。一方で、年月を経ても変わらず親しまれているものや、補修のみで済むものもある。館の管理は、2006年4月から指定管理者により行われており、現在の指定管理者はとちぎ未来づくり財団。指定期間は19年度から28年度までとなっている。

 基本的な考え方によると、現状や課題を踏まえた改修の方向性として▽「満足感」を得られる施設▽「とちぎらしさ」のある施設▽「利用者目線」に配慮した施設▽「持続可能性」を意識した施設-を位置付けた。改修に当たっての展示・活動のコンセプトは「未来に生きる自分を想像/創造する」を設定した。

 改修の内容は、陳腐化・老朽化などの点で課題のある展示物・プラネタリウムの改修を実施。プラネタリウムは子どもも大人も楽しめる「科学エンターテインメント」としての演出機能を充実させ、このほか展示物もテーマを見直し、展示の手法や大型展示物の配置、とちぎらしさのある展示などにも留意する。

 そのほか、屋内はバリアフリートイレや授乳室の新設、券売機の更新によるキャッシュレス化など、利用者の利便性に関わる一部設備の更新を検討する。屋外施設は屋内施設の改修を機に、広大で自然豊かな敷地を生かした活動をさらに促進していく。

 今後の検討課題には、▽改修内容の詳細▽企業・大学などとの連携内容▽ユニバーサルデザインなどの反映▽改修に合わせた管理面の見直し(利用料金の見直しを含む)▽工程(休館期間を含む)・工事費-などを挙げている。

 改修に向けた基本的な考え方は、県のホームページからダウンロードするほか、県民プラザおよび各県民相談室で閲覧できる。意見がある場合は、22年1月21日(必着)までに郵送かファクス(028-623-3070)、電子メール(kodomo@pref.tochigi.lg.jp)で提出する。提出先および問い合わせ先は、県保健福祉部こども政策課子育て環境づくり推進担当(028-623-3068)まで。

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