河南二期地区に3.7億円 国営かん排の補正予算(東北農政局)

[2021/12/23 宮城版]
 農林水産省は、国の2021年度補正予算が成立したことを受け、公共事業の箇所別予算額をホームページに公表した。県内の直轄事業では、農業農村整備事業の国営かんがい排水事業として、河南二期地区に3億7500万円、角田地区に1億2100万円、旧迫川地区に1億7300万円が配分された。河南二期地区は主に排水路の改良工事費に充てる。

 河南二期地区は、石巻市、東松島市、涌谷町、美里町にまたがる水田地帯で、受益面積が4707ha。国営かんがい排水事業では、既存の排水機場4カ所を統合し、新たに広渕沼機場と中区機場の2カ所を整備するほか、排水路3路線、用水路4路線、揚水機場4カ所、水管理システムなどを改修する。事業期間は2016~27年度の12年間。総事業費は140億円。

 新たに建てる排水機場のうち、中区機場は建設工やポンプ設備工、除塵設備工などを発注済み。今後は石巻市広渕地区に排水能力が毎秒5.4立方m、揚水能力が毎秒0.4立方mの広渕沼機場を建設する。

 角田地区は、国営かんがい排水事業(国営施設応急対策事業)で、角田市江尻字巻向地区の江尻排水機場を改修しており、今回の補正予算で確保した事業費を主に第1制水門の改修工事に充てる。

 全体計画では、制水門のほか、建屋と換気設備の改修、ポンプ設備と除塵設備の交換、水槽やゲートの補修などを進める。ポンプは口径2600mmが4台あり、排水能力が毎秒64t。1台ずつ分解して工場で直してから再設置する。事業期間は2019~26年度の8年間。総事業費は59億円。

 工事はこれまでに建屋の補修を佐藤建設(角田市)、導水路補修その他工事をナカムラ(山形県鶴岡市)、自家発電機ほか改修工事を荏原製作所(東北支社・仙台市宮城野区)、第3第4制水門ゲート設備改修工事を三和メイテック(仙台営業所・仙台市青葉区)に発注した。

 旧迫川地区は、大崎市から涌谷町にまたがっており、国営かんがい排水事業(国営施設応急対策事業)で箟岳揚水機場の補修や箟岳幹線用水路の改修を進める。箟岳幹線用水路は全体延長が約2.9kmで、過去にコンクリート3面張りの一部区間が沈下したため、沈下部分の更新や補修を進める。必要に応じて暗渠やサイフォンの区間も改修する。

 事業期間は2021~26年度。全体事業費は25億円。本年度は箟岳幹線用水路の実施設計業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)、箟岳揚水機場の実施設計業務を若鈴コンサルタンツ(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。

林野公共は7地区に事業費

 補正予算ではこのほか、直轄の林野公共事業として一迫川上流地区に1億2500万円、二迫川上流地区に3200万円、三郎石沢地区に7500万円、仙台海岸に1億2100万円、宮城北部沿岸に1億円、宮城北部に1億5000万円、宮城南部に6500万円を確保した。

 一迫川上流と二迫川上流、三郎石沢は復旧治山事業で渓間工や山腹工、仙台海岸と宮城北部沿岸は防災林造成事業で森林整備、宮城北部と宮城南部は森林環境保全整備事業で路網開設などを進める。二迫川上流と三郎石沢の事業費はゼロ国債を活用する。

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