箕町のBP化調査を 常陸那珂港山方線で県に要望

[2022/1/8 茨城版]
 県道常陸那珂港山方線整備促進協議会(会長・宮田達夫常陸太田市長)はこのほど、県庁を訪れて、仙波義正土木部長に常陸那珂港山方線の整備促進を求める要望書を手渡した。要望では、常陸太田那須烏山線バイパスや常陸那珂港山方線バイパス、富岡玉造常陸太田線の道路改築、箕町地内のバイパス化に向けた調査促進、額田地内の歩道整備などを盛り込んだ。これに対して県は、要望への理解を示すとともに、まずは事業化した箇所から順次整備を進めていく考えを示した。

 この協議会は常陸太田市と那珂市で構成し、常陸那珂港山方線の整備促進を目的としている。当日は宮田会長と谷口克文那珂市副市長らが県庁を訪れて、仙波部長に対して要望活動を行った。

 常陸那珂港山方線はひたちなか市阿字ヶ浦町から常陸大宮市山方までの結ぶ総延長約46.4kmの幹線道路で、県北地域の経済や産業を支える重要な路線となる。これまでに、常陸太田市小島町付近のミニバイパスの開通や清水橋の改築により、国道349号バイパスの軽減など、道路利用者の利便性向上が図られてきた。しかし、未改良区間も多く、狭あいな箇所が存在するため、安全確保のための歩道整備や交通渋滞の解消など、道路整備に対する地域の要望は依然として高くなっている状況にあるという。

 今回は6カ所での整備を要望を行った。このうち、常陸太田市では下宮河内町地内において、常陸太田那須烏山線バイパスの道路改築(延長700m)と常陸那珂港山方線バイパスの道路改築(延長1160m)を要望。下利員町では、富岡玉造常陸太田線との交差点付近の道路改築を求めた。昨年度に清水橋を整備し、そこから常陸大宮市方面の延長360mについて、一部狭あいな箇所が存在し、対策が必要なことを説明した。

 また、箕町地内の富岡玉造常陸太田線との交差点から中利員町までの区間は未整備であり、現道の拡幅は難しいことを指摘。そこで、バイパス化に向けた調査を求めた。

 那珂市では、国道349号から木島大橋までの延長2300m区間の整備促進を要望。また、額田地内で通学路の安全確保に向けて延長1470mの歩道整備を求めた。

 これに対し、県は要望箇所の進捗状況を説明。常陸太田市部分の常陸那珂港山方線バイパスの南側680mについては供用を開始し、残る部分については用地取得率が約50%となっている。本年度は引き続き用地取得を行うとともに、橋梁の詳細設計も実施している。

 富岡玉造常陸太田線の現道拡幅については、これまでに約9割の用地取得が完了。そこで、用地が取得できた箇所から工事を進めていく。残る用地取得については、常陸太田市と協力しながら事業を進めていく。箕町から中利員町までの整備については、現地での地質調査やバイパス化が可能か、代替案との事業費の比較など、検討する点が多いことを説明した。

 那珂市部分の国道349号から木島大橋までの区間で本年度は道路詳細設計と橋梁設計を実施。また、同区間はルートがほ場整備の事業地内通過することから、調整を図りながら設計を進めている。設計策定後は地元説明会を開催していく。

 額田地内の歩道整備については、額田交差点の西側で整備を進めている。19年度から用地の買収を進め、来年度にも用地買収が完了する見込みで、順次工事を進めていくと説明した。

 最後に仙波部長は同協議会の要望に理解を示すとともに、場所によっては用地買収が難航している箇所も存在していることを説明し、首長らに対して理解と協力を求めた。また、整備推進には予算確保が重要だとし、中央への要望を含めた力添えが必要だと述べた。

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