公共事業費に737億円 県新年度予算要望 重点81事業で2126億円(自民党県連など)

[2022/1/26 栃木版]

 自民党県連(茂木敏充会長)ととちぎ自民党議員会(螺良昭人会長)は25日、福田富一県知事に対し、県の2020年度当初予算案に対する要望書を提出した。それによると、県土整備、農政、環境森林の3部が進める公共事業費(関連調査費を含む)に737億7340万円を要望したのをはじめ、緊急防災・減災対策事業や堤防強化緊急対策プロジェクト事業、流域治水プロジェクト推進事業費の予算化を要望した。また、足利高校整備事業費に32億6789万円、県立学校施設長寿命化推進事業費に22億5897万円、栃木県林業大学校(仮称)整備費に4億6008万円を要望するなど、計81重点事業に総額2126億9534万円の予算化を要望。このうち政調上乗せは40億2696万円で、40億円を超えたのは関東・東北豪雨の復旧が本格化する17年当初予算以来、5年振り。福田知事は、この要望に対する回答を2月4日に行う見通しだ。

足利高の施設整備には32億円

 要望書では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の維持の両立、東日本台風からの復旧・復興および県土強靭化の加速をはじめ、「経済と環境の好循環」の実践、Sosciety5.0の実現と未来技術の活用、グローバル社会への対応、いちご一会とちぎ国体等の成功など、県政を取り巻く喫緊の課題は山積しているとして、それぞれ措置を講じるよう強く求めた。

 個別の要望内容をみると、防災・減災対策等の推進については今後さらに頻発化・激甚化が想定される災害に備え、改良復旧事業を含む河川整備などに計画的に取り組むことや、防災・減災対策を積極的に推進することを要望。特に堆積土の除去や緊急に堤防補強が必要な箇所では、緊急防災・減災対策事業や堤防強化緊急対策プロジェクト事業などで重点的に取り組むことを求めた。

 重点事業のうち、県土整備部には公共事業費460億8946万円、県単公共事業費138億4587万円、公共事業関連調査費5億円の予算化を要望。このうち、県単公共事業費は身近な道路整備のために10億円、公共事業関連調査費は5か年加速化対策の導入に備えたストック確保への調査費5億円をそれぞれ政調上乗せしている。

 また、緊急防災・減災対策事業費には17億円、堤防強化緊急対策プロジェクト事業費には28億円、県流域治水プロジェクト推進事業費には2億6775万円の予算化を要望。緊急防災・減災対策事業費では堆積土の除却整備に7億円、堤防強化緊急対策プロジェクト事業費では堤防補強対策に13億円の政調上乗せが含まれている。

 農政部には、公共事業費85億6541万円、県単公共事業費2億4742万円と公共事業関連調査費2000万円の予算化を求めた。このうち、県単公共事業費には小規模農村基盤整備で3000万円、公共事業関連調査費には土地改良事業の導入に備えた調査費2000万円の政調上乗せが含まれる。環境森林部は公共事業費41億9835万円と、県単公共事業費に5か年加速化対策の治山対策5000万円の政調上乗せを含む3億0687万円を要望した。

 公共交通のバリアフリー化の促進に向けては、重点事業に鉄道駅バリアフリー化整備助成費を位置付け、2500万円の予算化を要望。交通事故対策の推進では、交通安全施設整備費として18億2906万円を要望し、信号機の新設・更新のためこのうち1億5000万円を政調上乗せした。

 教育環境の充実等では、足利高校整備事業費に32億6789万円を予算化して、足高と足女高の統合・共学化に向けた施設整備を本格化するよう要望。また「県立学校施設長寿命化保全計画」などに基づき、老朽化が進む施設の長寿命化推進事業費22億5897万円を要望し、このうち5000万円は北関東3県で最も遅れているトイレの洋式化改修を推進するために政調上乗せした。

 このほか、24年度4月の開校に向けて建築工事に着手する県林業大学校(仮称)の整備費に4億6008万円、老朽化が進むとちぎテレビの設備改修のため県域テレビ局設備整備事業費に6億6600万円、22年度に実施設計を策定する子ども総合科学館の大規模改修費に1億1629万円、南摩ダム建設に伴う地域振興施設の水と緑の南摩の里整備費に1億円などをそれぞれ要望した。

 建設関連予算要望額は次の通り。(単位・万円)
【保健・医療・福祉施策の充実について】
▽新型コロナウイルス感染症医療提供体制整備事業費=312億1700
▽介護基盤整備等事業費=26億8260.5
▽社会福祉施設等整備助成費=6億6077.8
▽子ども総合科学館大規模改修費=1億1629.7
【安全・安心な県民生活の確保について】
▽公共事業費(環境森林部)=41億9835.9
▽県単公共事業費(環境森林部)=3億0687.4
▽公共事業費(農政部)=85億6541.1
▽県単公共事業費(農政部)=2億4742
▽公共事業関連調査費(農政部)=2000
▽農村防災力強化事業費(一部公共・一部再掲)=3564.7
▽公共事業費(県土整備部)=460億8946.7
▽県単公共事業費(県土整備部)=138億4587.3
▽公共事業関連調査費(県土整備部)=5億0000
▽緊急防災・減災対策事業費=17億0000
▽堤防強化緊急対策プロジェクト事業費=28億0000
▽栃木県流域治水プロジェクト推進事業費(一部公共・再掲)=2億6775
▽南摩ダム関連事業費(一部公共・再掲)=25億2115.8
▽水と緑の南摩の里整備費=1億0000
▽鉄道駅バリアフリー化整備助成費=2500
▽交通安全施設整備費=18億2906.1
【とちぎの未来創生に向けて】
▽とちぎUIJターン・定住促進・関係人口創出事業費=1億0560.7
▽県域テレビ局設備整備事業費=6億6600
【県内経済の活性化について】
▽カーボンニュートラル実現に向けた産業成長推進事業費=1億3407.3
▽カーボンニュートラル推進事業費=5億0146.5
▽小規模企業経営支援事業費=200
▽企業立地推進補助金=22億4642.1
▽国立公園満喫プロジェクト推進事業費(一部公共・一部再掲)=4億6975.4
【農林業の振興について】
▽園芸大国とちぎづくりフル加速推進事業費=10億7505.1
▽農業気象災害対応力強化事業費=870.8
▽とちぎグリーン農業推進事業費=3662.8
▽鳥獣から農作物を守る対策事業費=1億2514.4
▽とちぎの元気な森づくり県民税事業費(一部再掲)=9億4203.9
▽森林環境譲与税事業費=5億2299.3
▽とちぎ材の家づくり支援事業費=1億4598.4
▽栃木県林業大学校(仮称)整備費=4億6008.3
【環境対策の推進について】
▽気候変動適応推進事業費=1980
【教育行政の推進について】
▽足利高校整備事業費=32億6789.4
▽県立学校施設長寿命化推進事業費=22億5897
▽GIGAスクール運営支援センター整備事業費=9547.2
【いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会の成功に向けて】
▽国体施設整備助成費=10億2910.2

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