文化会館の大規模改修に116億円 海匝地域で合同庁舎を再整備へ(千葉県)

[2022/2/3 千葉版]
 熊谷俊人知事は2日、会見を開き、2022年度当初予算案を発表した。一般会計の予算規模は対前年度比10.2%減の2兆1772億6500万円。新型コロナウイルス感染症対応費を除くと、同2.9%増の1兆8421億8500万円となる。県文化会館の大規模改修工事で継続費、海匝地域の合同庁舎再整備に向けた基本設計で債務負担をそれぞれ設定する。道路ネットワーク事業や交通安全施設整備事業など土木関連も増加している。

 22年度当初予算は、県民の命と暮らしを守ることを最優先とし、引き続き新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、防災減災対策や交通安全対策を加速する。国の補正予算を積極的に活用し、21年度2月補正予算と一体的に編成している。

 普通建設事業費は同2.2%減の1576億8600万円。感染症対応に関する医療機関の設備整備への助成が減少していることが要因。道路ネットワークなど社会基盤整備や一宮川流域の浸水対策などの防災減災対策は増加している。

 県文化会館大規模改修事業では、工事費について25年度までの4カ年で総額116億0764万円の継続費を設定。築50年以上が経過し、建物の老朽化が進んでいるため、大規模改修工事に着手する。実施設計はフケタ設計(東京支店・東京都台東区)が担当。

 海匝地域合同庁舎再整備事業では、基本設計や地質調査に着手するため、債務負担を設定する。限度額は銚子地区が3300万円、旭地区が3500万円、匝瑳地区が3600万円。

 このほかの合同庁舎再整備事業でも債務負担を設定。限度額は、夷隅合同庁舎の建築工事と工事監理が19億1300万円、安房合同庁舎の実施設計が1億4300万円、鴨川庁舎の実施設計が5000万円となっている。

 警察署庁舎整備事業では、富津警察署の建設工事で2億1940万円と債務負担19億2300万円、香取警察署の実施設計で1億2680万円と債務負担3億5600万円をそれぞれ計上している。

 新県立図書館等複合施設整備事業では、実施設計で5億8000万円の債務負担を設定。県立図書館と県文書館の複合施設を、知識や情報を発信する「知の拠点」として新たに整備する。

 総合スポーツセンター体育館整備事業では、解体設計と測量調査で2500万円を確保するとともに、基本設計で6700万円の債務負担をする。令和元年台風15号の被害により利用停止中の体育館について、現地で建て替えを進めていく。

 児童相談所の建て替えでは8100万円の債務負担を設定。施設が老朽化している柏児童相談所と銚子児童相談所について、建て替えに向けた基本設計に着手する。児童相談所の新設では1億7200万円の債務負担を設定し、印旛、東葛飾2地区で児童相談所を新設するため、実施設計を委託する。

 家畜保健衛生所機能向上事業では、1億6337万円を配分するとともに40億4900万円の債務負担を設定。畜産農家が集中する香取・海匝地域の防疫活動体制を強化するため、施設を匝瑳市今泉地区に移転集約化する工事を進めていく。

 道路ネットワーク事業では704億3570万円を計上するとともに239億1800万円の債務負担を設定。北千葉道路をはじめ、銚子連絡道路や長生グリーンラインなどのアクセス道路や地域に密着した道路整備を進めるとともに、圏央道大栄~横芝間の24年度開通に向けた整備を促進する。

 一宮川流域浸水対策特別緊急事業では52億3300万円を計上するとともに16億0500万円の債務負担を設定。中流域の護岸法立や第二調節池の増設などを推進するとともに、上流域・支川で河川の改修や調節池の新設に着手する。

 交通安全施設整備事業では101億2268万円を予算化するとともに8億円の債務負担を設定する。通学路の緊急点検の結果などを踏まえ、歩道整備や信号機の新設・改良などの予算を大幅に増額し、通学路の安全対策を加速する。

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