10年で4団地176戸改善 関ノ内は新年度に設計 公営住宅の長寿命化計画(宮城県 角田市)

[2022/2/3 宮城版]
 角田市は公営住宅長寿命化計画を公表した。市内12団地について改善、建て替え、用途廃止の3つの事業手法で適正に管理していく。今後10年間。改善事業は4団地で実施を予定しており、2022年度には横倉地区の関ノ内団地の設計に着手する見通し。将来的な建て替え事業は30年度以降に2団地を集約する形での移転改築を盛り込んだ。

 同市の市営住宅は1970年代に整備され、耐用年数を経過、または間近に迫る施設が多い。そのため同計画に基づき▽計画的な維持管理▽予防保全(長寿命化)による更新コストの削減と事業量の平準化▽用途廃止──などを進める。計画期間は21~30年度まで。計画は社会情勢などに応じ、見直しを行う。

 この期間に実施を想定している事業は別表の通り。各団地の建設年次や規模、入居状況などを考慮して事業手法を選定した。

 改善を予定する団地は、「関ノ内」「金谷」「梶賀」「水上」の4団地。計画期間内に4団地計176戸を対象に実施し、継続管理を行う。時期は「関ノ内」が22~24年度、「金谷」が25.26年度、「水上」が26~30年度とし、屋上の防水や外壁改修などを予定する。「梶賀」は25年度をめどに児童遊園(公園)の遊具を更新する計画だ。

 なお新年度には先行する「関ノ内」の設計業務を委託する見通し。3年間で84戸の修繕や設備の交換などを含む改善工事を行う。

 建て替え事業の対象は躯体の劣化がみられる「老ケ崎.2階」と「柳町」の2団地。実施時期は30年度以降とし、敷地の問題から、「中島上」団地の跡地を利用した移転建て替えとする想定。建て替え戸数は2団地を集約し、さらに将来の目標管理戸数の不足14戸を加えた計62戸。新築住宅は1棟4戸タイプなどが想定される。財政負担の軽減へ民間借上型やPFI方式など整備手法についても検討する。

 用途廃止は老朽化が進む「東町」や「中島上」など8団地。現入居者の転居などを進めた上で、順次解体する。構造は木造のほかコンクリートブロック造、プレキャストコンクリート造で、タイプは平屋や2階建て、1棟4戸形式などさまざま。解体戸数は計260戸(78棟)を見込む。「中島上」などの一部は、すでに解体工事に着手している。団地は検討中だが、新年度も発注を見込む。

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