焼却施設の延命化着手 4カ年で継続費80億円(流山市)

[2022/3/19 千葉版]

設備改良工事に着手するクリーンセンター

設備改良工事に着手するクリーンセンター

 流山市は、老朽化が進んだクリーンセンターのごみ焼却施設について、2022~25年度の4カ年で、基幹的設備改良工事に着手する。22年度の当初予算案に、廃棄物処理施設延命化事業費(ごみ焼却施設基幹的設備改良工事・設計施工監理業務委託)として4カ年で総額79億9700万円の継続費を設定している。22年度は工事発注に向けた契約、工事準備を進め、23年度から3炉ある焼却炉を1炉ずつB系・A系・C系の順で改良する。3炉共通系設備を改良する数カ月間は、近隣自治体や民間業者に一部のごみ処理を委託するため、「一般廃棄物処理に係る東葛地域相互支援実施協定」の活用を検討する。延命化工事完了後の施設の使用年数は15年間を想定。強靱化については施設に適した方策を検討、長寿命化工事の終了後に着手する方針だ。

 22年度予算案に設定した継続費の年割額は、22年度ゼロ、23年度21億5997万円、24年度36億1145万円、25年度22億2557万円。

 クリーンセンターの焼却施設は、04年4月の稼働から約18年が経過。施設の老朽化が進み、長寿命化や強靱化の改修事業が必要な時期を迎えている。そこで、新設など4案の整備方針を比較した結果、19年度に延命化を最適案として決定。長寿命化総合計画策定等業務を20~21年の2カ年で環境技術研究所(東京都足立区)に委託し、昨年3月、長寿命化総合計画を策定した。

 長寿命化については▽高効率モーターへの更新▽電力の地産地消強化▽ボイラー蒸気の使用──などを検討。モーターを省電力かつ高効率のものに替えることで、二酸化炭素の発生を抑制。国庫補助金の交付条件である二酸化炭素排出量5%以上削減の達成を見込んでいる。

 強靱化対策については、浸水が想定される運河沿いの「新川耕地」に立地することから、非常用発電機の能力を増強し、その電力で焼却炉を立ち上げる方式の導入、防水扉や防水シャッターの設置などを想定している。

 新規施設建設などの将来的な計画については25年度以降に、一般廃棄物処理基本計画の見直しにあわせて検討する。

 クリーンセンター(下花輪191)は、ごみ焼却施設とリサイクルプラザ・リサイクル館(工場棟)、リサイクルプラザ・プラザ館(啓発棟)の3施設で構成。敷地面積は約4万4000平方m。

 ごみ焼却施設は、S造一部RC造地下2階・地上5階建て。建築面積は5798平方m。1日当たりの処理能力は、69tが3炉の計207t。受入供給設備はピットアンドクレーン方式。溶融焼却設備はガス化溶融炉(流動床式)。元施工は荏原製作所(東京都大田区)。

 ごみ焼却施設の運転管理業務は、夜間・休日のみ荏原環境プラント・東関東支店(船橋市)に委託している。期間は17~21年度の5カ年。

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