庇増設等に4.5億円 公設地方卸売市場の再整備(水戸市)

[2022/4/20 茨城版]
 水戸市は市公設地方卸売場の再整備を進めている。本年度はI期の施設整備工事費に4億5860万円を計上し、庇の増設などに取り組んでいく。また、24年度から開始となるII期計画の用地拡張に向けて、基本計画案の策定など、準備を進めていく予定だ。

 市公設地方卸売市場は、1971年の開場以来、生鮮食料品の経済・流通拠点として、産地と消費者を繋ぐ重要な役割を担っている。また、地方卸売市場として、取扱高日本一の実績を誇る。

 しかしその一方、人口減少や流通形態の多様化など、卸売市場を取り巻く環境は厳しい状況にある。そこで市は、時代の要請に対応するため、2018年度に市場関係者との協働で再整備計画を策定した。

 この計画では期間を区分した実施計画を策定し、現在は19年度から23年度までをI期計画と位置付け、事業を進めている。I期では、生鮮食料品の安全・安心を確保するうえで必要となる既存の施設・整備の維持更新と機能強化を図るための事業に着手。これまでに冷蔵庫の改築促進や荷捌所、非常用電源設備の整備、防鳥ネットの設置、トイレの改修などを実施してきた。2月末時点の進捗は事業費ベースで約70%となっている。

 公設地方卸売市場関連として、当初予算には施設再整備工事費に4億5860万円や同実施設計委託料2640万円を予算化している。このうち、施設再整備では、▽庇増設工事(青果棟)▽売場シャッター改修工事(仲卸棟・中央棟・関連商品売場棟)▽駐車場改修工事(花き棟・関連商品売場棟)▽銀行棟解体工事▽売場照明改修工事(青果棟)▽青果買荷保管積込所保温化工事(花き部門)▽変電所改修工事(中央棟)──などを実施していく。

 実施設計では、▽庇増設・売場照明改修設計(水産棟)▽ループ道路付替設計(関連商品売場棟)▽トイレ改修設計(中央棟)▽水産低温買荷保管積込所トイレ改修設計(水産物部門)▽水産低温買荷保管積込所付属施設更新設計(水産物部門)▽換気廃熱対策設計(青果棟・仲卸棟)──などを盛り込んだ。

 市ではI期計画と並行して、市場の用地拡張にも取り組む。昨年度には隣接地の測量を実施するとともに、基本計画案の策定など、都市計画変更の準備を進めている。24年度から28年度までのII期計画では、拡張用地の整備を中心に事業を進めていく計画だという。

 第1回定例会の代表質問で、高橋市長はI期・II期計画の整備を通して、市場機能の大幅な向上が図られることを指摘し、「今後は新型コロナによる生活様式の転換、消費者のニーズや物流への影響、さらにはデジタル化やカーボンニュートラルの実現などの時代の要請にも的確に対応し、計画に反映させていく」と答弁した。

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