足利高新校舎新築など 本年度の建築事業 154件の167億円を受託(県建築課)

[2022/5/14 栃木版]

 県建築課は、2022年度の建築事業計画概要をまとめた。各部局から設計・監理などの業務委託で78件8億3895万円、工事で76件159億1856万円の、計154件167億5352万円を受託する。主な工事は、足利高校新校の新校舎新築工事やとちぎ海浜自然の家本館の空調設備改修工事、林業大学校(仮称)新築工事など。また設計委託は、子ども総合科学館本館外部改修工事や県営西川田住宅建替事業を予定している。このほか県立学校施設長寿命化保全計画第II期中期計画に基づき、県立高校や特別支援学校の施設改修の一部を教育委員会事務局から受託する。

 本年度の全体的な傾向としては、県有施設や学校施設の長寿命化対策が多く、経営管理部の28件や教育委員会事務局の73件の多くがこれにあたる。工事は本年度、76件の159億1856万円を予定。前年度当初で計画した99件151億5152万円と比べ、件数は23件減少し金額は7億6703万円(5%)増加した。

 主な工事を見ると、足利高校新校の新校舎新築工事は本年度から着工して、24年度までの3カ年で整備する。建築工事は6月ごろの発注を予定しており、当初予算には継続費58億3092万円を設定した。新校舎は、旧足利女子高校と隣接する足利市民会館の敷地とあわせた約4万平方mに、RC造3階建て延べ約8000平方mの規模で建設する。基本・実施設計はAIS総合設計(宇都宮市)が担当した。

 とちぎ海浜自然の家(茨城県鉾田市)は、築30年が経過して本館(生活館、学習館、スポーツ館)の空調設備が老朽化しているため改修するほか、自家発電設備の改修や照明のLED化といった省エネ設備改修を実施する。施設は1992年の竣工で、RC造地上4階地下1階建て、延べ1万7959平方mの規模。2023年度までの2カ年で空調設備改修に15億1780万円、省エネ設備整備に9382万円の継続費を設定し、工事はこのほど2件に分けて条件付き一般競争入札を公告している。

 県林業大学校(仮称)は、林業を担う人材を育成する拠点として林業センター(宇都宮市下小池町)に整備する。研修・研究棟は木造2階建て延べ約1911平方mの規模で、実験室や検査室、研修室などを配置。また、屋内実習棟は全天候型の訓練施設で、木造平屋約420平方mの規模を計画する。建築工事は22年度から23年度までの2カ年で実施する計画で、当初予算には施設整備費として2カ年12億9106万円の継続費を設定した。

 深山ダム(昭和49年3月竣工)の管理棟は、現施設の老朽化に伴い24年度までの2カ年で新施設を建設し、移転後に現施設を解体撤去する。新たな施設はRC造3階建て、約699平方mの規模で、設計はイケダ設計事務所(那須塩原市)が担当。工事は建築工事と電気設備工事、機械設備工事の3件に分割し、第2四半期に一般競争入札で発注する。

 県営若草住宅の建替事業では現在、AIS総合設計に委託して基本・実施設計を策定している。並行して、今後の現地建て替えに向けた建設用地確保のため、本年度は12棟ある既存住宅のうちの6棟と、集会所の解体工事を実施する。発注見通しによると、7号棟ほかと8号棟ほかの2件の解体工事を、いずれも第1四半期に一般競争入札で発注する。

 業務委託は78件の、8億3895万円を予定する。前年度当初計画の66件6億1610万円と比較して、件数は12件増加し金額は2億2285万円(36.2%)増加した。

 子ども総合科学館(宇都宮市西川田町)は展示物の大規模なリニューアルとあわせて、建物の長寿命化工事、特定天井工事および省エネ改修工事(照明のLED化)を実施する。内容は空調改修や屋上防水、外壁改修、エレベーター改修、特定天井改修、トイレ改修、受変電設備改修などを想定し、実施設計の中で精査する。第1四半期に総合評価方式の指名競争入札で発注して、8カ月の期限で策定する見通し。なお、展示物のリニューアルの実施設計は別途、こども政策課から随意契約で発注する。

 県営西川田住宅の建替事業は、若草住宅と同様に老朽化に伴う現地建て替えに向けた設計を本年度に着手する。現在のRC造4階建て5棟をRC造6階建て3棟に集約する計画で、整備戸数は170戸を予定。子ども総合科学館と同様に第1四半期に総合評価方式の指名競争入札で発注して、23年度までの2カ年で策定する。

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