巴波川、田川で工事着手 本年度の主要事業 5事業36カ所に72億円(県河川課)

[2022/6/15 栃木版]

 県河川課は、2022年度当初の主要事業をまとめた。それによると、国庫と交付金で5事業36カ所(洪水浸水想定区域図作成等含む)に72億6280万円を予算化している。本年度は令和元年東日本台風で被災した河川の改良復旧に重点的に取り組むとして、巴波川の地下トンネルや秋山川の護岸、田川の調節池掘削、永野川の堰改築、荒川の築堤などに多くの事業費を配分した。構造物は本年度、旗川で市道橋の稲岡橋の架け替えに伴う設計を策定し、武名瀬川の8号町道橋や小藪川の神社橋、荒川の梁川橋、武茂川・大内川の馬坂橋を架け替えを進める。

 事業費の内訳を見ると、河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)は12億7000万円、大規模特定河川事業(補助)は5億2900万円、安全な川づくり事業(防災・安全交付金)は10億9230万円、同事業の重点には15億0000円、改良復旧事業は28億7150万円を計上している。

 激特では、巴波川(栃木市)に9億7000万円を配分して、本年度は用地補償のほか地下捷水路の工事に着手する。JR両毛線から荒川合流点まで、延長約2.4kmの地下トンネルを整備するもので、事業期間は20年度から25年度まで。全体事業費は約153億円を見込む。

 また、秋山川(佐野市)には3億円を配分して、引き続き掘削や護岸の工事、および用地補償を実施する。菊沢川放水路合流点から下流約3000m区間で、24年度までのの期間で河道掘削や河道拡幅などの河川改修を実施しており、全体事業費は約57億円で計画する。

 大規模特定河川改修のうち、武名瀬川(上三川町)では1億8500万円を計上し、引き続き掘削や護岸、取水樋管の工事を実施する。姿川(宇都宮市)は、調節池の整備や橋梁架け替えの負担金で、1億8400万円を予算化。旗川(足利市)では5000万円を確保して、掘削のほか稲岡橋の橋梁設計も策定する。

 防災・安全交付金の重点事業では、田川の調節池掘削や用地補償に15億円を投じる。上流側の岩曽調節池を計画する山田川合流部から、下流側の川田調節池までの延長6.5km区間で、河道掘削を行うとともに調節池を整備して、下流の河川水位を低減させる。

 防災・安全交付金ではこのほか、県内全域を対象に洪水浸水想定区域図を作成するため、1億0730万円を計上する。洪水浸水想定区域の指定対象河川を拡大し、169河川の解析を24年度までに段階的に行って、洪水浸水想定区域図を告示・公表していく。

 構造物は、武名瀬川(上三川町)の8号町道橋、小藪川(鹿沼市)の神社橋、荒川(那須烏山市)の梁川橋、武茂川・大内川(那珂川町)の馬坂橋でそれぞれ架け替えを実施する。事業費は武名瀬川で8000万円、小藪川で3000万円、荒川で7000万円、武茂川・大内川で5800万円を予算化している。

 改良復旧事業のうち、永野川(栃木市)は21億5050万円を予算化して、堀削、築堤、護岸のほか榎本堰、新西野田堰、二杉堰の3基の堰改築、および諏訪橋の橋梁下部工事を実施する。また荒川では堀削、築堤、護岸に7億2100万円を計画。永野川と荒川の改良復旧は、いずれも23年度の完了を目指す。

 本年度の主な事業実施箇所は次の通り。(▽河川名(市町名)=[1]予算額(単位・万円)[2]事業内容)
【河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)】
〈栃木土木〉
▽巴波川(栃木市)=[1]9億7000[2]用地補償、地下トンネル
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]3億0000[2]堀削、護岸、用地補償
【大規模特定河川事業(補助)】
〈宇都宮土木〉
▽武名瀬川(上三川町)=[1]1億8500[2]堀削、護岸、取水樋管、用地補償
▽姿川(大谷)(宇都宮市)=[1]1億8400[2]調節池整備、橋梁架替(負担金)
〈鹿沼土木〉
▽武子川(鹿沼市)=[1]1000[2]用地補償
〈栃木土木〉
▽巴波川(栃木市)=[1]5000[2]取水樋管
〈安足土木〉
▽旗川(足利市)=[1]5000[2]掘削、橋梁設計(稲岡橋)、用地補償
▽名草川(足利市)=[1]5000[2]用地補償
【安全な川づくり事業(防災・安全交付金〔重点〕)】
〈宇都宮土木〉
▽田川(宇都宮市)=[1]15億0000[2]調節池掘削、用地補償
【安全な川づくり事業(防災・安全交付金)】
〈河川課〉
▽県内=[1]1億0730[2]洪水浸水想定区域図等作成など
〈宇都宮土木〉
▽田川(上流)石那国(宇都宮市)=[1]3000[2]掘削、築堤、護岸
▽武名瀬川(上三川町)=[1]8000[2]掘削、用地補償、橋梁架替(8号町道橋:プレテンPC単純中空床版橋)
〈鹿沼土木〉
▽大芦川(鹿沼市)=[1]5000[2]堀削
▽小藪川(楡木)(鹿沼市)=[1]3000[2]橋梁架替(神社橋:プレテンPC単純中空床版橋、逆T橋台(場所打杭))、用地補償
▽武子川(深津)(鹿沼市)=[1]7000[2]河道設計
▽思川(深程)(鹿沼市)=[1]4500[2]用地測量
〈日光土木〉
▽田川(上流)土沢(日光市)=[1]5500[2]堀削、護岸、用地補償
〈真岡土木〉
▽芳賀遊水地(芳賀町)=[1]1000[2]地下水調査
▽百目鬼川放水路(益子町)=[1]5000[2]堀削、護岸
〈栃木土木〉
▽思川(乙女網戸)(小山市)=[1]5000[2]堀削
▽思川(黒本飯塚)(小山市)=[1]5000[2]築堤、護岸
▽思川(惣社国分寺)(栃木市)=[1]2500[2]築堤、用地補償
▽巴波川(大町)(栃木市)=[1]2000[2]堀削、護岸
〈矢板土木〉
▽江川(鳥山)喜連川(さくら市)=[1]2000[2]用地測量
〈大田原土木〉
▽鹿島川(大田原市)=[1]8000[2]仮設道路、物件補償
▽熊川(那須塩原市)=[1]4000[2]堀削、護岸
〈烏山土木〉
▽荒川(向田)(那須鳥山市)=[1]7000[2]橋梁架管(梁川橋:プレテンPC単純T桁橋、逆T橋台(直接基礎))
▽武茂川・大内川(那珂川町)=[1]5800[2]橋梁架替(馬坂橋:ポステンPC単純中空床版橋)
▽大内川(那珂川町)=[1]2200[2]取水施設設計
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]1000[2]掘削、護岸
▽矢場川(足利市)=[1]2500[2]掘削、護岸
▽姥川(足利市)=[1]5000[2]用地補償
▽旗川(足利市)=[1]2000[2]河道設計
▽菊沢川(佐野市)=[1]2500[2]付替水路
【改良復旧事業】
〈栃木土木〉
▽永野川(栃木市)=[1]21億5050[2]堀削、築堤、護岸、堰改築3基(榎本堰、新西野田堰、二杉堰)、橋梁下部(諏訪橋:逆T橋台(場所打杭))
〈鳥山土木〉
▽荒川(那須鳥山市)=[1]7億2100[2]堀削、築提、護岸

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