中央部に多目的広場 伝建地区整備事業 危険建物解体を発注へ(栃木市)

[2022/7/1 栃木版]

 栃木市は、伝建地区拠点施設整備事業を進めている。嘉右衛門町地内にある味噌工場跡地を整備するもので、このほど保存活用計画の見直しを行った。市蔵の街課によると、当初の予定を見直し、伝統的建造物以外の施設を解体して跡地に多目的広場を整備する。2022年度は、施設解体工事や伝統的建造物の安全対策工事を行うとしており、22年度の工事費には1億9690万円を計上している。

 味噌工場跡地は西に例幣使街道、東にぬかり沼用水通りが通っており、同地区は県内唯一の国重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選定されている。跡地の敷地は5977.84平方mで、土蔵、工場、門、塀などの建造物(計約5543.59平方m)があり、旧例幣使街道沿いには江戸時代の蔵も所在する。敷地西側の例幣使通り(市道11063号線)沿いでは1期計画で、先行して飲食やシェアオフィスなどが入居するテナント施設、ガイダンスセンター、屋外トイレを整備している。

 当初は、敷地中央部に大屋根を設置する計画だったが、今回、整備内容を変更。伝統的建造物以外の施設を解体撤去し、イベント等に活用できる多目的広場を整備する。

 2期計画では、施設北側のレクリエーションゾーンを中心に整備する。主に民間運営部分となることから、民間のノウハウやアイデアを取り入れるため、協議などを行いながら事業を進める。また3期計画では、主に施設南側のまちづくりゾーンを整備する。整備に時間を要することから、ニーズへの対応や建造物の保存に配慮する。

 22年度は、敷地中央部を中心に施設解体工事や伝統的建造物の安全対策工事を行うとし、第2四半期の発注を予定している。工事の規模は約3000平方mで、伝統的建造物以外の施設を解体。伝統的建造物についても崩落防止の対策として、壁への鋼板設置や筋交いの設置などで補強する。

 市は大型事業の見直しを進めており、伝建地区拠点施設整備事業も対象となっている。このため、本年度に行う解体等の工事以降の整備については今後、整備内容やスケジュールを検討する。

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