候補地は駅前優先 文化ホールの基本構想(習志野市)

[2022/7/15 千葉版]

 習志野市は7月14日、習志野文化ホール再建設基本構想を公表した。敷地候補地の選定にあたってはJR津田沼駅南口を優先する方針を盛り込んでいる。宮本泰介市長は、「優先する立地を定めた。正式決定に向け、今後も慎重に事業者と協議したい」とのコメントを発表した。今後は、民間事業者との協議を進め、年度内にも基本計画を策定。既存施設の解体に着手する2025年4月以降をめどに、基本設計や実施設計をとりまとめる方針だ。

 市は、「モリシア津田沼」の信託受益権を保有する野村不動産から、習志野文化ホールを含めた一体的な再開発の提案を受けており、基本構想は、第三者委員会の意見やパブリックコメントの結果などをふまえて作成。11日の庁議を経て決定した。

 4月~5月にパブコメを実施した基本構想案では、敷地候補地について、JR津田沼駅南口と旧庁舎跡地の2案を比較。津田沼駅南口を優先する方向性は示されていなかったが、策定にあたって市の考え方を明示することにした。

 市では、優先する立地の決定について▽長期計画の重点事項にJR津田沼駅周辺地域の拠点機能の向上が含まれている▽民間事業者から行政負担の軽減や事業費圧縮に努力する意向が示されている▽多様な建築物の建設が可能な用途地域となっている──などを総合的に判断したとしている。

 同日開かれた、最終回となる習志野文化ホール再建設基本構想等検討専門委員会(委員長・廣田直行日本大学生産工学部建築工学科教授)では、担当課が、再開発の計画概要が明らかになった時点で、最終的に敷地候補地を決定する方針などを説明。各委員からは、「市民によく説明しながら進めてほしい」などの要望があった。

 閉会前のあいさつで、諏訪晴信副市長は、「おかげで、初めの一歩となる基本構想が策定できた」と、計5回、1年間にわたる検討に感謝した。

 基本構想では、音の響きを重視した多目的ホールとして1200~1500席規模の、誰もが利用しやすい施設を目指す方針を示している。津田沼駅南口建て替え時の概算事業費は約117億円。

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