卸売市場の再整備検討 経営戦略策定プロポ公告(千葉県木更津市)

[2022/7/16 千葉版]
 木更津市は15日、公設地方卸売市場の経営戦略策定業務について、委託事業者を選定する公募型プロポーザルを公告した。施設の老朽化が著しいため、再整備基本計画の作成やPFI等導入可能性調査に着手する。業務の上限予算額は2296万8000円。27日まで参加意向申出書を受け付けている。

 同市の公設地方卸売市場は、開設から50年以上が経過し、施設の老朽化が著しいほか、主要施設の耐震性が確保されていない状況。市場外取引の拡大が進展し、市場の取扱高が減少傾向となっている。

 このような状況の中、市場機能を維持し、市場の活性化を図り、市民サービスの向上を図るため、官民連携による市場の再整備を計画。再整備の事前準備として19年4月に経営展望を策定した。

 同業務では、経営展望を踏まえ▽現状の調査・分析に基づく目標設定▽市場関係者の意見集約▽再整備基本計画の作成▽PFI等導入可能性調査▽基本戦略の策定▽跡地利活用に関するサウンディング型市場調査支援▽庁内会議の支援▽報告書の作成──などを担当する。

 このうち、再整備基本計画では、必要となる敷地面積や建物の適正規模を算定。この結果と既存施設各棟の調査結果から、各棟の改修、改築、他棟へ集約化などの最適な再整備案を作成する。

 再整備候補地となる「現地」と「旧市役所跡地」について、法的規制やインフラ状況などを整理。再整備や維持管理に関する概算費用などを比較検討し、最適な再整備候補地を選定する。

 再整備候補地で、動線計画を含む施設の配置計画を複数案とりまとめる。整備手法や整備手順、移転時期を含む事業スケジュールを検討し、概算事業費や運営費を算定する。履行期間は2024年3月21日まで。

 プロポの参加資格として、市入札参加資格者名簿に登載されていることなどを求める。8月12日まで提案書を受け付け、24日のプレゼンテーション・審査を経て、26日までに受託候補者を選定する。

 同市は18年9月に「木更津市公設地方卸売市場再整備に向けた基本方針」を策定。基本的な考え方は[1]耐震性能の確保・商品管理機能の向上(ハード)[2]取扱量の増加による市場・地域活性化(ソフト)[3]民間活力導入による事業推進──の3項目を柱としている。

 現在の敷地面積は3万5469平方m。施設は青果部卸売場(3918平方m)、水産物部卸売場(1680平方m)、管理庁舎(248平方m)、倉庫(535平方m)、青果部買受人組合事務所(116平方m)、水産物部買受人組合事務所(46平方m)、公衆便所(67平方m)などで構成。卸売業者数は青果部、水産物部とも各1社となっている。

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