宇高BP整備など推進 事業概要 77カ所に36億円を投入(矢板土木)

[2022/8/19 栃木版]

 県矢板土木事務所は、2021年度の事業概要と実施予定箇所をまとめた。本年度は国庫・交付金と県単をあわせ、77カ所に36億1700万円を投入する。内訳は、道路事業が52カ所に28億8100万円、河川・ダム・砂防事業が25カ所に7億3600万円。本年度は国道408号宇都宮高根沢バイパスに4億円を重点配分したほか、主要地方道矢板那須線の泉工区や県道佐久山喜連川線の早乙女工区などで工事を推進する。また本年度から新たに、主要地方道塩谷喜連川線越畑工区や主要地方道矢板那珂川線の沢・豊田工区、県道蛭田喜連川線の穂積工区で事業に着手している。=4面に主な整備箇所の概要

塩谷喜連川線越畑工区を新規事業化

 本年度当初予算を昨年度と比較すると、件数は79件から2件減、事業費は34億0600万円から2億1100万円(6.2%)増加している。事業費の内訳は、道路事業の国庫補助・交付金が25カ所に21億3500万円、県単が27カ所に7億4600万円。また河川・ダム・砂防事業は、国庫補助・交付金が5カ所に5500万円、県単が20カ所に6億8100万円を予算化した。このほか、21年度補正で11億2500万円を執行する。

 本年度の主な事業を見ると、矢板市では主要地方道矢板那須線の泉工区で、小学校通学路の歩道整備を実施している。現道は住宅が連担し拡幅が難しいため、現道東側に総延長2700mのバイパスを計画。用地は昨年度に全て契約が完了し、本年度は1億9500万円を計上して北側から改良工事を推進する。

 また主要地方道塩谷喜連川線の越畑工区は、道路の拡幅と歩道設置を片岡工区から引き継いで、東側に延伸する。片岡工区は本年4月に概ね事業が完了しており、越畑工区は本年度から新たに事業に着手。事業費約2億円を確保して、本年度は用地補償を実施する。

 さくら市では、県道佐久山喜連川線の早乙女工区に1億4000万円を予算化した。この区間の桜並木は老朽化しているため、市が桜の植え替えを計画。これにあわせ、県は全幅20.5mに拡幅して歩道を整備する。現在は、この道路と蒲須坂喜連川線との立体交差部で、ボックスの拡幅工事を実施中。年内にも完了させて、その後は西側の盛土工事を計画する。

 県道上高根沢氏家線の櫻野工区は、1億6000万円で用地補償を実施する。主要地方道大田原氏家線は現状、国道293号とのT字路が終点となっており、その先にはさくら市道U1-13号が通っている。しかしながらこの市道が狭いため、これを拡幅して十字路とし、南側の市道U1-17号まで延長1480mにわたり拡幅改良する。

 塩谷町では、主要地方道藤原宇都宮線の東房工区で、玉生小学校の通学路の歩道整備を実施している。町で整備中の新庁舎周辺は工事が完了しており、現在は引き続き北側に820m延伸している。本年度は事業費9800万円を確保し、用地補償のほか、用地がまとまった箇所では道路改良工事を実施する。

 主要地方道今市氏家線の大久保工区も、大宮小学校関連の歩道整備を実施している。本年度は、事業費9100万円を予算化し、西側の260mでは工事を、東側の1150mでは用地補償や物件調査を実施する。

 高根沢町では、国道408号宇都宮高根沢バイパスを推進する。5月には宇都宮那須烏山線までの4車線化が完了し、現在は鷺ノ谷交差点から国道4号まで、延長1900mのバイパス整備を進めている。なお、昨年度末に用地の契約は完了している。

 JR東北本線を跨ぐ跨線橋は、上下分離(上り50.9m、下り51.7m)の単純細幅鋼箱桁とし、JR東日本とこのほど協定を締結した。JR東日本では本年度、施工ヤード整備などの準備工を予定。県では地盤改良工事を実施するほか、既存の用水路に変わる水路を盛土部分にトンネルの形で整備している。

 県道花岡狭間田線の花岡工区は、歩道が未設置の宇都宮那須烏山線から一級河川大沼川を渡河する太田堀橋まで、延長370mを幅員10m(片側歩道)に拡幅する。本年度は事業費1億6400万円で、太田堀橋に代わり延長84.2mのボックスカルバートを設置する工事のほか、橋梁前後の用地取得と迂回路設置工事も実施する。函渠建設工事は、一般競争入札を31日に開札して340日間の工期で施工する。

 このほか、河川ダム・砂防事業は五行川のさくら市氏家地内で根固工、中川の矢板市下太田地内で堤防強化プロジェクトによる巻堤工を実施。塩谷町船生地内の天頂下沢では用地補償や管理用道路の整備を、西荒川ダムでは堆積土の除去工を実施する。

 交付金による本年度新規事業箇所は、主要地方道塩谷喜連川線越畑工区のほか、主要地方道矢板那珂川線の沢・豊田工区と県道蛭田喜連川線の穂積工区の3カ所。沢・豊田工区は主に、延長1448mの歩道整備を計画しており、年度初めに地元説明会を開催してこのほど用地の調査を発注している。穂積工区は狭あい道路の拡幅改良で、延長は1130mを計画している。

 また新規調査計画箇所は、県道佐久山喜連川線のさくら市下河戸地内と、主要地方道大田原氏家線のさくら市横町地内、主要地方道宇都宮船生高徳線の塩谷町佐貫地内などとなる。佐久山喜連川線は道路が狭く歩道もないため、延長2600mにわたり調査を実施して事業化を図る。

 大田原氏家線は、氏家中学校や上松山小学校の通学路の歩道整備となる。大野工区が本年度で終わるため、引き続きその南側で延長500mを計画し、本年度は調査に入る前の図面を作成する。宇都宮船生高徳線は、延長1200mの区間の幅員が狭小で線形もクランク状で危ないため、これの解消に向けた調査を実施する。

 砂防事業の天頂沢はは、塩谷町船生地内で新たに砂防堰堤を整備するための調査を実施し、急傾斜事業は高根沢町中阿久津地内の東上Aと中阿久津東IIAの調査を実施する。

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