市道希望橋まで改修 一級河川武子川 来年度から20年で約51億円(栃木県河川課)

[2022/9/10 栃木版]

 県河川課は、一級河川武子川の鹿沼市千渡地先から仁神堂町地先まで、総延長3500mの河川改修事業に着手するのを前に、8日からパブリックコメントの手続きを開始した。この事業は、沿川の浸水被害軽減のため、河川断面を拡大して流下能力を向上させるもので、現況の概ね毎秒50立方mの流下能力を、毎秒130~150立方mへと向上させる。事業期間は2023年度から42年度までの20カ年を予定し、総事業費は約51億円を想定している。

 武子川は、日光市猪倉地先から日光市、鹿沼市、宇都宮市を流下し、宇都宮市上欠町地先で姿川に合流する一級河川。このうち今回事業化する区間は、これまで局所的な護岸整備を実施していたが、抜本的な改修には至っていない。このため、近年では15年9月、19年10月と、家屋や農地などへの度重なる浸水被害が発生していた。

 なお、この区間の下流では、宇都宮市境の市道若林橋(鹿沼市深津)から主要地方道宇都宮鹿沼線バイパスの飯岡橋新橋(同千渡)まで、延長4320mの河川改良事業を継続中。また、武子川沿川小区画水田を対象とした県営土地改良事業(千渡地区)が23年度から29年度の期間で実施予定であることから、事業用地の確保など連携して円滑に事業を進めるため、23年度に事業に着手する。

 事業箇所は、下流事業区間(市道若林橋~県道飯岡橋)との連続性を考慮して、県道飯岡橋を下流端とした。また上流端は、15年・19年と続いて被災した国道293号仁神堂橋の上流にある、市道1008号線希望橋とする。県営土地改良事業(千渡工区)と連携する区間を含めて、総延長は約3500mで計画している。

 計画流量は、下流側の飯岡橋から仁神堂橋までを毎秒150立方m、上流側の仁神堂橋から希望橋までを同130立方mとする。計画確率規模は5分の1で、概ね5年に一度の割合で発生する洪水流量を安全に流下させるように整備する。

 工事内容は、本工事が築堤約1万1000立方m、掘削約22万1000立方m、護岸約3万9000平方mで、既設の護岸を活かしできるだけ片岸側だけを拡幅する。このほか附帯工事として、道路橋6橋、堰4基、樋管11基を改築する。

 事業期間は、測量設計を23年度から、用地調査と用地取得を24年度からそれぞれ着手し、工事は25年度から42年度までの18年間を予定する。総事業費の内訳は、測量設計費が約1億円、用地補償費が約11億円、工事費が約39億円で、国費と県費で50%ずつ負担する。

 この事業に意見のある人は、9日から10月11日まで県県土整備部河川課企画治水担当まで意見を提出する。様式は任意となっており、住所、指名、電話番号を記載して、郵送やファクス、メールで送付する。問い合わせは、同担当028-623-2444まで。

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