島田放水路の法線変更 豊穂川排水対策事業 本年度は設計を発注(小山市)

[2022/10/15 栃木版]

 小山市は一級河川豊穂川の流域排水強化対策事業で、島田放水路の整備計画を変更し、既設放水路の西側に延長740mを整備する。市治水対策課によると、本年度は設計業務を発注する見通しで、用地取得や物件補償の状況に合わせて段階的に工事を進め、2025年度の完成を目指すとしている。

 市は、2015年9月の関東・東北豪雨で被害を受けた豊穂川流域等の排水強化事業を進めている。豊穂川は、19年度に国交省から、上流端の立木地内にある大日橋から、下流端の一級河川思川合流点(大行寺地内)までの約1260mが、一級河川に指定された。19年に発生した東日本台風で、再び浸水被害が発生したため、国交省の浸水対策重点地域緊急事業に採択されて、完成工期を25年度まで前倒ししている。

 市では、豊穂川の排水強化対策事業として▽河道拡幅▽築堤▽橋梁の架け替え-を計画している。豊穂川整備の予備設計および詳細設計は、大日本コンサルタント(東京都豊島区)が担当した。豊穂川以外でも、雨水ポンプ場や調整池の整備、立木排水路で調節池の整備のほか、小山栃木排水路を準用河川に指定し、島田放水路として整備を行うとしている。

 準用河川島田放水路の整備について、当初は小山栃木排水路と市道201号線の交差点部下流部からJR両毛線北側を通り、島田地内の思川合流部までを整備する計画だったが、地域内主要道路の通行が確保できないことや、周辺排水路と効果的な合流ができないことから、法線を変更することとした。

 変更した計画では、JR両毛線交差部下流側から、既設の小山栃木排水路を通り、思川の堤防までの延長740mを整備する。河道を掘削して両側に堤防を築堤する計画で、堤防高は思川の降雨量の20年確率水位を想定した規模になるとしている。思川堤防と交わる箇所には、樋門1基を設置する。

 変更した島田放水路は、市道2カ所を縦断するため、市道と交差する箇所に橋梁を整備する。橋梁の規模や構造などについては、現在のところ未定としている。このほか、内水対策も必要となることを浸水解析シミュレーションで確認しており、調節池の整備などを構想している。

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