あすなろの郷に109億円 県補正 公告時期は1月ごろ予定

[2022/10/26 茨城版]

 大井川和彦知事は25日、県庁で記者会見を開き、31日に開会する定例会の提出議案を明らかにした。このうち、一般会計補正予算案には158億7900万円を追加し、総額を1兆3210億6200万円とする。主なものでは、あすなろの郷セーフティーネット棟建設に係る建設工事費などの事業費として、23-24年度の2カ年で限度額109億5078万円の債務負担行為を設定した。工事は段階的に発注する予定で、本体工事の第1弾は来年1月ごろに公告する見通しだ。定例会ではこのほか、指定管理者の指定や工事請負契約の締結などの議案も提案している。

 あすなろの郷建替事業関連では、セーフティネット棟建設工事費として、23-24年度の2カ年で限度額109億5078万円の債務負担行為を設定した。内訳は約108億円が工事費、約1億5000万円が監理委託料となる。

 この事業は施設の老朽化を受けて、セーフティネット棟とあすなろの郷病院・医療型障害児入所施設の建て替えを行うもの。基本・実施設計は久米設計・パル綜合設計JVが担当している。

 基本設計の公募時には、施設の規模は全施設合計で約2万平方m程度を想定。各施設の割り当てをみると、セーフティネット棟では入所施設部門に約1万0300平方m、管理部門に700平方m、地域生活支援部門に2000平方m程度を確保する。このうち、入所施設部門は居室や食堂、会議室など居住系に9000平方m、訓練・作業室など日中活動生活介護系に300平方m、給食室や売店などサービス系に1000平方mを割り当てる。

 病院兼医療型障害児入所施設兼療養介護事業所では、病院機能として外来診療エリアに2000平方m、医療型障害児入所施設・療養介護事業所機能として入院エリア(50床)2000平方m、通所エリア500平方m、病院事務エリア500平方mなどを配置するとしていた。

 基本設計を策定した際には、現在の資材の高騰などを受けて、できるだけコンパクトに新施設を整備する方針に変更。その結果、当初の想定よりも規模を約1割程度縮小し、全施設合計で約1万7900平方m程度となった。施設は2階建てと平屋の2棟を整備していく。規模は2階建て部分がRC造一部S造延べ約1万2500平方m、平屋部分が木造約5400平方mとなる。

 今後のスケジュールは、建築工事に23年度当初から着手したいため、工事請負契約を23年の6月議会に諮る予定。そのため、新築工事は23年1月ごろに公告する見通しとなっている。その際には、すべての工事を一括して発注するのではなく、まずは2階建て部分の工事を建築と設備に分割して発注する。平屋部分の建設工事については、工事の進捗を踏まえて後日、公告することになるという。供用開始時期については、25年度を予定している。

 あすなろの郷関連では本体工事に加えて、既存施設の解体や、新施設整備に向けた設備の切り回し工事なども進めている。このうち、解体工事については、窯業棟の解体に着手する。現在はケーアイ住環境研究所(小美玉市)で解体設計を実施。解体設計の策定後、事業の進捗を踏まえて、早期に解体工事に着手する予定だ。なお、解体する施設の構造・規模はS造平屋513平方m、解体工事については税込4642万円程度になることを想定している。

 今回の補正ではこのほか、コロナ禍における原油価格・物価高騰等対策に122億2100万円や、感染防止策と医療提供体制の整備等に32億5400万円などを盛り込んだ。

 指定管理者の指定では、合計11件の提案を予定。このうち、主なものでは、大洗マリーナを茨城ポートオーソリティ(東海村)、赤塚公園を橋本造園土木(つくば市)、県西総合公園を筑西広域市町村圏事務組合(筑西市)、笠間芸術の森公園を笠間市、北浦川緑地を取手市、港公園を神栖市、大子広域公園を大子町、鹿島灘海浜公園を鉾田市に指定する。

 工事請負契約の締結では、「ガントリークレーン製作据付工事」を三井E&Sマシナリー(東京都中央区)と25億1845万円で契約する案を提案している。

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