BP整備の予算確保を 国道118号改修で県に要望活動

[2022/10/29 茨城版]
 国道118号(水戸・大子間)改修期成会(会長・先﨑光那珂市長)は21日、県庁を訪れて、田村央土木部長に国道118号整備促進を求める要望書を手渡した。要望では、観光シーズンの渋滞緩和に向けた那珂大宮バイパスと菅谷飯田線整備の予算確保や、大宮大子拡幅、袋田バイパス、池田工区での無電柱化、水戸市中心市街地区間での通学路における安全対策の早期事業化、茨城栃木連携事業の事業化などを盛り込んだ。

 この期成会は那珂市と大子町、水戸市、常陸大宮市で構成し、国道118号の整備促進を目的としている。当日は、先﨑会長と高梨哲彦大子町長、鈴木定幸常陸大宮市長、大和直文水戸市建設部長らが県庁を訪れて、田村部長に対して要望活動を行った。

 国道118号は、水戸市から那珂市、常陸大宮市、大子町を経由して福島県会津若松市を結ぶ基幹道路であるほか、八溝山周辺地域定住自立圏構想においても、圏域を接続する重要な路線。また、東北自動車道と常磐自動車道の中間に位置し、アクセス道路や地域開発、産業振興、観光産業など地方創生を図るうえで大切な道路となる。

 現状では、常磐道那珂ICを利用した行楽地へ向かう観光客や、沿線の工業団地への物流道路として利用されているが、観光シーズンにおける著しい渋滞をはじめ、平日朝夕の通勤時間帯における渋滞も発生しており、周辺住民や観光客、物流などの円滑な交通に大きな支障をきたしている。

 また、袋田の滝を中心とした袋田地区においても、年間100万人の観光客が訪れ、地域産業や観光振興に重要路線となっている一方、JRの駅が隣接した変則的な道路であるため、駅利用者や地域住民の暮らしの安全、観光シーズンの交通渋滞解消など、道路整備に対する地域の要望は依然として高い状況にあるという。

 そこで同期成会では、各拠点をつなぐ道路ネットワークによる地域経済の活性化や、安全・安心の地域づくり、広域連携を含めた災害時の緊急避難路の強化など、防災に関する道路整備の観点から、同線の早期整備を求めている。

 事業区間ごとの要望をみると、観光・物流などの経済活動の復興(那珂ICアクセス)として、那珂市が那珂大宮バイパス(飯田・中里間、延長3600m)と菅谷飯田線(飯田、延長2200m)の計画的な整備に向けて、予算の確保を要望。これは、ポストコロナにおける観光などの経済活動復興のため、人流・物流の活性化を行うことが目的となる。

 国土強靭化では、大宮大子拡幅(岩崎・袋田間、延長2万0800m)と袋田バイパス(袋田・北田気間、延長3560m)を要望。このうち、大宮大子拡幅は常陸大宮市と大子町が要望しており、冠水対策を含めた整備を推進し、災害時の交通確保が図れることを求めた。また、5か年加速化対策後も予算・財源を通常予算とは別枠で確保することも要請した。

 袋田バイパスは大子町が要望。ダブルネットワークの構築をはじめ、社会資本整備重点計画路線の整備により、広域的な道路ネットワークの充実が計画的に図れることを求めた。

 無電柱化については、大子町が池田工区(延長1550m)での事業継続を要望。これは地震や台風などによる停電災害を踏まえ、支援人員派遣と支援物資搬送の支障とならないよう、同工区の無電柱化を求めるものとなる。

 子供達の安全・安心、道路周辺環境の安全性・安定性では、水戸市が五軒町拡幅(延長530m)を要望。これは水戸市中心市街地の歴史的資産を活用とした、まちなか回遊性と景観の向上のほか、近接する五軒小学校などの子供たちの安全・安心を守るため、通学路のなどの安全対策の早期事業化を求めるものとなる。

 このほか、栃木県や福島県などと連携し、広域的な道路ネットワークの構築・機能強化対策を図るため、県境補助事業(茨城栃木連携事業)の事業化に向けた調査の継続も要望している。

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