道の駅を再検証 本年度内にも方向性提示へ(龍ケ崎市)

[2022/11/26 茨城版]
 龍ケ崎市では本年度、国道6号沿いに計画する道の駅整備事業の再検証を進めている。これは建設地の軟弱地盤や不足埋設物発覚の問題に加え、課題対応への事業費増額などによる事業停滞を受けたもの。10月には市議会の全員協議会で再検証の内容が示され、道の駅として整備した場合の概算事業費は、従来の試算から約8億5000万円増の約25億6100万円となった。今後はアンケートや市民との意見交換会などを踏まえ、本年度中にも事業の方向性を提示するもようだ。

 道の駅整備は、15年度に基本構想、16年度に基本計画をまとめたあと、K計画事務所(東京都世田谷区)に基本・実施設計を委託し、19年度末までに策定作業を完了した。計画では、国道6号と牛久沼に挟まれたエリア2万8600平方mを活用し、「時代や環境に適応した道の駅」をコンセプトとしている。

 牛久沼に面した立地を最大限に活用し、水辺を眺め、積極的に愉しむ仕掛けを設けるなど、ここでしか実現できない道の駅として20年度ごろの供用開始を目指していた。整備手法は一体型を採用し、敷地内には国の整備によるトイレ・情報提供施設(木造約320平方m)や地域振興施設(S造約1400平方m)などの整備を計画している。

 18年末からは、敷地に接する牛久沼の護岸改修工事に着手したが、その過程で想定以上に地盤が悪いことが判明したため19年1月に工事を中断。19年度に予定していた造成工事も見送っていたが、同年12月には建設地内に旧レジャー施設のものと思われる不足埋設物が確認され、この時点でスケジュールを延期した。

 本年4月からは、萩原勇市長の意向を受けて事業の再検証に着手。概算事業費や収支見込みなどを再算定し、事業の妥当性を含めて総合的に判断していくこととした。再検証では、想定される整備パターンとして、従来通りに行う整備のほかに、市単独による広場の整備、現状を維持した場合の3パターンを示した。

 このうち、従来通りに道の駅を整備した場合の概算事業費は、軟弱地盤となっている護岸改修工事費の増加や場外の上下水道工事費の追加、資材高騰などによる建設工事費の増加などにより増額し、25億6100万円と算出された。このほか、広場の整備とした場合では、小型駐車場やトイレ、芝生広場の整備、護岸改修工事などで概算総事業費を11億1400万円と試算している。現状を維持した場合については、設計費や伐採工事費など既に支出した事業費を除いて、除草などの管理で年間約16万円と試算している。

 再検証の内容が示されたことを受け、今月からはアンケート調査が開始され、12月28日まで行われている。12月18日には、市長と市民による意見交換会も開催される予定で、これらの意見を踏まえながら、本年度中には事業の方向性を示す見通しだ。

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