関東地整と栃建協が意見交換 労働単価引き上げなど 課題の解決へ対応を協議

[2022/11/26 栃木版]

 国交省関東地方整備局(廣瀬昌由局長)と県建設業協会(谷黒克守会長)、および県県土整備部(坂井康一部長)の意見交換会が25日、宇都宮市の県総合文化センターで開催された。発注者と受注者双方の立場から公共工事の諸課題について活発に意見交換する場とするもので、建設行政や建設業界の最近の状況について持ち寄った情報を紹介したほか、栃建協が提案した3つのテーマについて意見を交換した。このうち「週休二日制導入に伴う人件費などの対応」では、栃建協から労務単価や補正率のさらなる引き上げ求め、整備局は22年度の労務単価を前年から3%引き上げたほか、補正率の引き上げも本省で検討を進めていると返答した。

 議事に先立ち、廣瀬局長は「先月28日に経済対策が閣議決定され、国会で補正予算の審議が始まっており、順調にいけば年内にも成立する」として、計画的な整備推進に協力を求めた。また「大規模な自然災害の発生時には、建設業協会が地域の守り手としてわれわれとともに先頭に立って復旧に尽力している」と話し、これからの降雪対策にも引き続き協力を求めた。

 また「働き方改革2024」については「待ったなしの状況」として、「後ろ向きにならず、意見交換しながらインフラDXなど新たな技術・仕組みに取り組み、全体が良くなるような方向に進めたい」と述べた。

 坂井部長は、豚熱の対応や国体への支援に改めて謝意を表し、「担い手の確保・育成や働き方改革の推進などの課題解決へ、整備局や栃建協と一層の連携を図りながら各種取り組みを進めていきたい」とあいさつした。

 谷黒会長は「建設業を取り巻く状況は大変厳しいが、地域の創り手・守り手として地元建設業が存続していくための取り組みや担い手の確保を計画的に進めていくためには、先を見通せる事業量の確保が重要。生産性向上など新しい課題に積極的に取り組むとともに、建設業の魅力を発信して担い手を確保・育成を図る必要がある」として、国や県に事業費の確保や制度の改善を求めた。

 議事はまず、整備局と栃建協それぞれの取り組み状況などについて情報提供を行った。整備局からは、22年度予算の概要や上半期の執行状況、平準化や週休2日制などの指標の調査結果、働き方改革や担い手確保の取り組み、土木工事電子書類スリム化ガイド、インフラDXの推進、賃上げを実施する企業に対する加点措置、単品スライド条項運用マニュアル改定などの取り組みを説明するとともに、最近の動きとして建設発生土の搬出先の明確化や技術者制度の見直し、建設業許可や経営事項審査の電子申請を紹介した。

 栃建協は、協会の経営体質の強化と事業の充実を図っていることや道路・河川等維持管理業務の共同受注方式の拡充、将来の業界発展を担う人材の確保と育成に向けた取り組みを説明。さらに、創立以来100周年を迎えて次の100年に向けた新たな飛躍の契機とするため、「創立100周年記念事業」を実施していることも説明した。

 意見交換では、県建設業協会から提示した▽防災・減災対策の推進と社会資本整備による強靭な国土づくり▽週休二日制導入に伴う人件費などの対応について▽建設資材の価格高騰などへの対応について-の3つのテーマを取り扱った。

 まず「防災・減災対策の推進と社会資本整備による強靭な国土づくり」では、栃建恊から国土強靭化の当初予算における別枠確保と延伸継続または恒久化、特に遅れている地方のインフラへの重点投資、および「関東ブロックにおける社会資本整備重点計画」の積極的な推進を要望した。

 整備局は、23年度予算の概算要求で公共事業関係費として6兆2443億円(対前年度比1.19)を要求していると説明。さらに11月8日に閣議決定された補正予算で、国交省分として1兆1669億円が計上されていると説明した。

 次に「週休二日制導入に伴う人件費などの対応について」では、栃建恊から労務単価や補正率のさらなる引き上げをはじめ、建設投資の6割を占める民間工事への導入に向けた実効性のある取り組みを求めた。

 整備局は労務単価について、22年度は主要12職種(全国)単純平均で対前年比3.0%引き上げており、13年度から10年連続の上昇になっていると説明。補正率の引き上げも「要望は認識しており、全国的な課題であると本省に伝えている」として、引き続き必要な経費の計上に向けた検討を現在本省で実施していると報告した。

 また民間工事への導入は、本省で主な民間発注者団体に週休2日の確保などを考慮して適正な工期の設定に努めるよう要請通知しているほか、整備局でも宅建業者やマンション管理者などの立ち入り検査の際にも周知や要請を行っていると回答した。

 最後に「建設資材の価格高騰などへの対応について」では、栃建恊から資材高騰分の速やかな予定価格への反映やスライド条項の申請手続きの簡素化、柔軟な工期変更、さらには民間工事でもスライド条項の規定の盛り込み徹底するよう指導することを要望した。

 整備局は予定価格への反映について、最新の単価を用いた実勢価格を適切に予定価格に反映させていると回答。単品スライド条項や資機材の調達遅延による工期延期については「事前に個別に事務所と協議調整することで、弾力的な運用も可能」と答えた。

 資材価格については県土整備部も、「定期的な調査を実施し、市場の動向を見ながら改定を行っている。また本年度は原油価格や物価の高騰の対策として、定期改定月以外でも市場の動向を踏まえて単価を改定するなど、柔軟に対応している」と説明した。

 このほか意見交換では、栃建協から「地域の守り手としての活動が報道に取り上げられることが少なく、市民が我々の活動を認識していない」と問題を提起し、整備局は「災害時にはテックフォースの活動の紹介とあわせて、地元建設業の活躍もあわせて情報を発信したい。また合同訓練なども継続的に広報して、建設業の取り組みに関する社会的認識を向上させたい」と返答した。

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