管内4消防署を建て替え 基本方針を策定 総事業費は52億円規模(仙南広域事務組合)

[2022/11/29 宮城版]
 仙南地域広域行政事務組合消防本部は白石・角田・柴田・大河原の4消防署の建て替えに向けて基本方針をまとめた。老朽化や狭あいなどが課題で、建て替えに当たって白石消防署に総合的な訓練施設や大規模災害時の拠点機能を持たせるほか、他3施設も訓練施設や水防機能等を充実させる方針。現時点で4施設の建て替えの総事業費は52億1000万円を見込む。まずは角田消防署について2025年度までの着工を目指す。

 仙南の2市7町で構成する同組合は、廃棄物処理・火葬・消防業務などを担う。理事長は滝口茂柴田町長。4つの消防署は角田と柴田の施設がRC造の耐用年数50年を経過、白石と大河原が築約40年の著しい老朽化と共に訓練スペースが限定されるなど手狭が課題。17年から消防本部庁内に検討準備委員会を立ち上げ検討を重ねていた。

 現在の各消防署は白石・柴田・角田がRC造2階建て、延べ床面積が約700~840平方m。敷地面積は各1100~1480平方mの広さ。大河原署は消防本部・組合総合庁舎の複合施設で建物はRC造3階建て延べ3107平方mの規模となる。

 基本方針に盛り込んだ整備計画は別表参照。白石消防署は、耐え替えにより山岳救助・火山災害・高層建築物火災に対応できる主訓練塔など総合的な訓練施設の設置を目指す。災害の影響が少ないなどの立地から緊急消防援助隊受援用地など大災害時の拠点機能も持たせる。これらに必要とみられる敷地面積は計7200平方m程度を見込む。概算事業費は約14億円を試算する。

 角田消防署・柴田消防署の建て替えでは水難救助資機材や倉庫の充実を図り、水防の拠点とする。大河原消防署は仙南地域の中心部に位置する署として特殊車両の運用や消防本部を含む消防庁舎とする方針とした。3施設とも消防署部分だけで見ると必要敷地面積は3800平方m程度、概算事業費が各12億7000万円を想定している。

 建て替えに向けては、用地の確保と造成までを地元市町、設計・工事の発注を組合が分担する。現段階で各市町とも用地の準備に取り掛かったところ。角田消防署においては緊急防災・減災事業債の年限である25年度までの着工を目指す。他の施設は用地の確保状況や財源に応じて長期的なスパンで事業を進めていく方針だ。

■消防署の整備基本方針・整備計画
消防署名 整備計画
求める機能 敷地面積 施設規模等 概算
事業費
白石消防署 高層建築物の火災、山岳救助、火山災害への対応 ①約5300㎡ ・庁舎約1000㎡ 約14億円
・駐車場約1680㎡
・総合的な訓練施設約2550㎡
・訓練塔:4階建て1棟、2階建て2棟
大規模災害発生時の緊援隊等の受入拠点 ②約1900㎡ ・救援隊受援用地約1500㎡
・ヘリポート約400㎡
角田消防署 水防拠点 各約3800㎡ ・庁舎約1000㎡
・駐車場1680㎡
・訓練塔:2階建て2棟

約12億7000万円
柴田消防署
大河原消防署 特集車両の運用、消防本部を含む消防庁舎

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