武子川、荒川で設計 補正予算の追加分 6事業34カ所に57億円(県河川課)

[2022/12/21 栃木版]

 県河川課は、12月補正予算の可決を受けて、追加分の主要事業をまとめた。国庫補助と交付金で6事業34カ所(洪水浸水想定区域図作成等含む)に、合計57億3396万8000円を予算化している。引き続き、令和元年東日本台風で被災した河川の改良復旧に重点的に取り組むため、秋山川の護岸や田川の河道掘削、荒川の築堤および旧橋撤去などに多くの事業費を配分した。このほか、23年度の事業化を予定していた武子川の仁神堂工区と荒川(塩谷)の三箇工区は事業費を前倒して計上し、それぞれ河道設計に着手する。

 事業費の内訳は、河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)が5億5000万円、大規模特定河川事業(補助)が5億1200万円、河川メンテナンス事業(補助)が7000万円、安全な川づくり事業(防災・安全交付金)が36億1000万円、同事業(重点)が6億円、改良復旧事業が3億9196万8000円となっている。

 激特は、秋山川(佐野市)で菊沢川放水路合流点から下流約3000mの河道掘削や河道拡幅など河川改修を実施しており、今回は5億5000万円を追加して掘削や護岸の工事を推進する。

 大規模特定河川改修のうち、姿川(大谷)は調節池の整備や観音橋の橋梁架け替えの負担金に1億4000万円を、また旗川は設計中の稲岡橋の橋梁下部工や用地などに1億円を追加した。

 防災・安全交付金の重点事業では、田川に6億円を追加して河道掘削の進捗を図る。改良復旧事業は、荒川の堀削や築堤、護岸、および旧橋撤去に3億9196万円を予算化している。

 23年度の事業化を予定していた武子川の仁神堂工区は、下流端の県道飯岡橋から上流端の市道1008号線希望橋までの延長3500mを対象に築堤や掘削、護岸、および付帯工として道路橋6橋、堰4基、樋管11基を改築する。今回は防災・安全交付金から2億円を配分し、先行して河道設計を策定する。

 同じく荒川(塩谷)の三箇工区も、那須烏山市藤田地先の藤田橋から小白井地先の青雲橋までの約3800mで築堤や掘削、護岸のほか、道路橋1橋、堰1基、落差工1カ所、樋管5基を改築する。同様に2億円を計上して、河道設計を実施する。

 補正で追加された主な事業実施箇所は次の通り。(▽河川名(市町名)=[1]予算額、単位・万円[2]事業内容)
【河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)】
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]5億5000[2]堀削、護岸
【大規模特定河川事業(補助)】
〈宇都宮土木〉
▽武名瀬川(上三川町)=[1]5700[2]堀削、護岸
▽姿川〔大谷〕(宇都宮市)=[1]1億4000[2]調節池整備、橋梁上下部(観音橋:負担金)
〈鹿沼土木〉
▽武子川(鹿沼市)=[1]1000[2]用地補償
〈栃木土木〉
▽巴波川(栃木市)=[1]1億4000[2]堀削、取水樋門
▽杣井木川(小山市)=[1]1500[2]地下水調査
〈安足土木〉
▽旗川(足利市)=[1]1億[2]橋梁下部(稲岡橋:設計中)、用地測量、用地補償
▽名草川(足利市)=[1]5000[2]用地補償
【河川メンテナンス事業(補助)】
〈宇都宮土木〉
▽江川放水路(宇都宮市)=[1]7000[2]監視制御設備更新
【安全な川づくり事業費(防災・安全交付金〔重点〕)】
〈宇都宮土木〉
▽田川(宇都宮市)=[1]6億[2]河道堀削
【安全な川づくり事業費(防災・安全交付金)】
〈河川課〉
▽県内=[1]3億[2]洪水浸水想定区域図作成
〈宇都宮土木〉
▽田川〔上流〕石那田(宇都宮市)=[1]4000[2]堀削、築堤、護岸
▽武名瀬川(上三川町)=[1]8000[2]橋梁詳細設計(県道橋)、堰詳細設計、堀削、橋梁上部L14.7m、W3.4m(8号町道橋:プレテンPC単純中空床版橋)
〈鹿沼土木〉
▽大芦川(鹿沼市)=[1]1億[2]堀削
▽武子川〔深津〕(鹿沼市)=[1]1億[2]橋梁詳細設計(関口橋、松の木橋)
▽武子川〔仁神堂〕(鹿沼市)=[1]2億[2]河道設計
▽小藪川〔楡木〕(鹿沼市)=[1]1億5000[2]護岸、橋梁上下部L17.9m、W3.7m(神社橋:プレテンPC単純中空床版橋、逆T式橋台(場所打杭))
▽思川〔深程〕(鹿沼市)=[1]1億[2]築堤、護岸、用地測量、用地補償
〈日光土木〉
▽田川〔上流〕土沢(日光市)=[1]2億[2]堀削、護岸、用地補償、橋梁上下部L11.5m、W6.5m(下阿久戸橋:プレテンPCホロー桁橋、逆T式橋台〔直接基礎〕)、橋梁上部L13.1m、W5.0m(上耕地橋:プレテンPC単純中空床版橋)、橋梁上部L12.5m、W4.0m(農道橋:プレテンPC単純中空床版橋)
〈真岡土木〉
▽百目鬼川放水路(益子町)=[1]5000[2]堀削、護岸
▽五行川〔本川〕(真岡市)=[1]7000[2]堀削、護岸
〈栃木土木〉
▽思川〔乙女網戸〕(小山市)=[1]3億[2]堀削
▽思川〔黒本飯塚〕(小山市)=[1]5000[2]築堤、護岸
▽巴波川〔大町〕(栃木市)=[1]3000[2]橋梁詳細設計(ふたまた橋)
〈矢板土木〉
▽江川〔烏山〕喜連川(さくら市)=[1]1億[2]橋梁下部(金枝中橋:設計中、境目橋:設計中)
〈大田原土木〉
▽鹿島川(大田原市)=[1]1億[2]堀削、護岸、仮設道路
▽熊川(那須塩原市)=[1]7億[2]掘削、護岸
〈烏山土木〉
▽荒川〔向田〕(那須烏山市)=[1]2億6000[2]堀削、護岸
▽荒川〔三箇〕(那須烏山市)=[1]2億[2]河道設計
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]3億3000[2]堀削、護岸
▽姥川(足利市)=[1]5000[2]河道設計、用地補償
▽菊沢川(佐野市)=[1]5000[2]橋梁詳細設計(砂子田橋、砂子田2号橋)、用地測量
▽旗川(足利市)=[1]5000[2]河道設計、用地測量
【改良復旧事業】
〈烏山土木〉
▽荒川(那須烏山市)=[1]3億9196.8[2]堀削、築堤、護岸、旧橋撤去

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