24年度に基本設計 統合小整備 建設地は上大津東小北側(土浦市)

[2022/12/27 茨城版]
 土浦市がこれまで検討を進めてきた上大津地区の統合小学校整備事業について、整備等検討委員会から建設場所を「上大津東小学校北側拡張」にするとの提言を受けたことを明らかにした。提言書によると、同小学校に隣接する北側の用地1万1200平方mを取得したうえで、校舎の新築と既存施設の長寿命化などで新たな統合校を整備することを明記している。統合に係る概算事業費については、約35億円と試算する。この提言を受けて市では、同地での整備を進めることになる。今後は、基本計画の策定や用地取得などに着手していく。なお、基本・実施設計については、23年度後半にもプロポーザルで事業者を選定し、24年度の当初から2カ年で設計をまとめる予定。開校時期については、順調にいけば28年4月になる見通しだという。

 この事業は、上大津地区の生徒数減少を受けて、上大津東小学校と菅谷小学校を統合するもの。なお、基本計画は建設技術研究所(東京都中央区)が担当する。統合先については当初、土浦第五中学校付近に決定し、本年度から基本・実施設計に着手する予定であった。

 しかし、地元説明会を開催したところ、▽建設候補地が交通量の多い国道354号の北側に位置し、生徒の7割がこの道路を横断する必要があること▽新校舎が現地の高低差を利用すること▽施設の一部を公民館と複合化すること──などの不安を理由に承認が得られていない状況にあった。そこで市は、本年8月に地元関係者や学識経験者らで構成する検討委員会を発足。委員会で検討を行った結果、建設候補地を再検討することとなった。

 再検討を行う際の条件には、通学路の安全確保を最優先事項に設定。また、敷地造成などに係る経費や、通学バスの運行費も抑えられることも重要視した。新候補地については、▽原案の土浦第五中付近▽ダイユーエイト西側▽上大津東小学校北側▽上大津東小学校東側──の4案を選び、比較検討を行った。

 検討の際には、▽国道354号線を徒歩で横断することになる児童数▽土浦第五中学校との効果的な小中一貫教育の推進▽事業費▽通学バスの運行費──などを踏まえての実施。各項目を総合的に判断した結果、上大津東小学校北側拡張を新候補地に選定した。

 委員会が候補地に選定した上大津東小学校北側拡張で整備を行う場合、同小北側の用地1万1200平方mを取得したうえで、整備を進める。既存の敷地との合計面積は約2万4000平方mとなり、当初の計画で想定していた統合校に必要な面積の条件をほぼ満たすことになる。

 整備にあたっては、校舎の新築と既存施設の長寿命化に加え、既存施設の解体工事を実施していく。なお、取得予定の用地は平坦な畑であるため、大規模な造成工事は必要ないという。

 新校舎はRC造3階建て、延べ6600平方m程度の規模を想定し、体育館の長寿命化改良を行う。また、校舎棟の一部で大規模改造を実施し、児童クラブとして整備していく。残る校舎棟や特別教室棟、プール付属棟などは解体で対応。なお、プールの在り方については検討中となる。また、小学校の拡張に伴い、市道の一部の廃止や、既存市道の拡幅などの再整備もあわせて実施することになる。

 提言書で示した新施設の概算事業費は約35億円と試算。内訳は施設整備関連工事費が約31億円、造成工事費が約1億2000万円、インフラ整備が約2億円、用地買収が8000万円となる。

 この提言書は5日、瀧正教委員長から市教育委員会に手渡された。これを受けて市では、上大津東小学校北側拡張による統合校整備に着手することになる。

 今後のスケジュールとしては、本年度内に基本計画の策定を行う。その際にはパブリックコメントの実施も予定しており、3月中にも計画案を公表する見通しとなる。あわせて、取得を予定する用地について所有者の意向確認も行う。

 23年度からは、不動産鑑定や用地測量などを実施し、用地取得に向けた準備を進める。また、23年度後半には基本・実施設計のプロポーザルを行い、事業者を決定。24年度の当初から2カ年で基本・実施設計をまとめ、26-27年度の2カ年で新築工事などを行う。開校時期は、当初の計画よりも1年遅れの28年4月になる見込みだ。

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