博物館を長寿命化 リニューアル基本構想・基本計画案(松戸市)

[2023/1/7 千葉版]

 松戸市は、松戸市立博物館リニューアル基本構想・基本計画案をとりまとめた。計画期間は2023~32年度の10カ年。26年に「こどもミュージアム」の整備工事と常設展示のリニューアル工事に着手するほか、計画的に長寿命化、老朽化対策を進めることなどを盛り込んでいる。2月5日までパブリックコメントを実施、寄せられた意見や提言を踏まえ今年度中に策定する方針だ。

 松戸市立博物館は1993年4月に開館。構造・規模は、RC造一部S造地下1階・地上2階建て延べ5447平方m。敷地面積は7795平方m。市では、これまでの機能・役割を見直し、より高度な資料の保存と活用を通して新たな文化施設へと進化することを目的に、基本構想・基本計画案の策定を進めている。

 同館の使命には▽「知」の集積をもとに未来を展望するために誰もが活用できる歴史博物館▽「ふるさと松戸」に対する愛着と誇りを育むことができる地域博物館▽「ひとづくり」に貢献できる文化交流の場──の3つを設定。

 3つの使命を達成するための事業目標として▽松戸ブランドの価値創出▽広域的な文化交流拠点の形成▽新しいファン層の獲得▽新たな展示空間の創設▽施設の長寿命化──の5つを定めている。

 このうち、「広域的な文化交流拠点の形成」では、千駄堀エリアの文化・自然環境を生かし、周辺施設との連携を強化、文化交流拠点を整備する。

 「新たな展示空間の創設」では、楽しみながら松戸の歴史・文化を知ることができる「こどもミュージアム」を1階に新設。27年に供用を開始する。

 「施設の長寿命化」については、インクルーシブデザインを導入。安全面、機能面でさまざまな不具合が発生していることから、老朽化の進行状況に応じて建築、電気、給排水、空調設備などを修繕する。

 また、災害に備え建物の機能を強化。来館者のアクセス改善に向け、誘導サインなどを整備する。

 老朽化対策のうち、天井と企画展示室の改修、チラー修繕を24年に予定。チラーを除く改修設計を佐藤総合計画に委託している。履行期間は23年3月まで。

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