江合川で堤防整備へ 石巻と涌谷の設計一括(北上川下流)

[2023/1/12 宮城版]
 国土交通省北上川下流河川事務所は、北上川水系江合川で堤防の整備や強化対策を進めるため、設計業務に着手する。11日付で堤防設計業務と堤防強化対策設計業務の2件に分け、一般競争入札を公告した。2件とも25日まで参加申請書、2月21日まで入札を受け付け、翌22日に開札する。

 江合川の堤防設計業務は、石巻市前谷地西谷地地区や涌谷町など3カ所を対象に、堤防断面が不足している区間について、計画高になるよう堤防を整備するため設計をまとめる。併せて、解析等調査を実施する。業務の履行期間は12月20日まで。

 対象区間の堤防は、県道などの道路と接している場所もある。防災・減災、国土強靭化の5カ年加速化対策として堤防整備を実施する。堤防整備では腹付け盛土などを想定している。

 堤防強化対策設計業務は、江合川左岸の大崎市古川桜の目地区などで、過去の堤防詳細点検の結果に基づいて堤防強化対策を行うために設計を作成する。履行期間は12月20日まで。こちらも国土強靭化の5カ年対策で堤防強化を進める。

 設計業務2件の入札参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。

 なお、堤防設計業務の堤防設計や、堤防強化対策設計業務の堤防強化対策設計と浸透流解析は、標準積算基準の歩掛が設定されていないため、参加申請者に業務参考見積もりを依頼し、その平均的な見積もりを参考に歩掛を設定する。

吉田川は河道掘削詳細設計

 同事務所は、一級河川吉田川の河道掘削に向け、詳細設計業務を一般競争入札で委託する。11日付で入札手続きを公告しており、25日まで参加申請書、2月21日まで入札を受け付け、翌22日に開札する。

 新たに河道掘削の詳細設計を委託するのは、2019年の東日本台風で破堤した堤防付近(大郷町)から、吉田川と竹林川、善川が合流する地点付近(大和町)までに至る延長6.6km区間。

 この区間の途中には橋が3カ所に架かっており、掘削に伴って条件護岸の整備が必要になる見込み。そのため、今回委託する業務で河道掘削の詳細設計とともに、橋梁前後の計300mにわたる護岸詳細設計もまとめる。履行期間は12月22日まで。

 入札の参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。

 吉田川は東日本台風での洪水被害を踏まえ、河川大規模災害関連事業で河道掘削や破堤区間の堤防整備などを進める。同事業は2019~24年度の予算を活用して実施する。総事業費は約241億円。

 河道掘削は支流の善川と合わせて約150万立方mを計画しており、本年度末までに掘削率が27%程度にまで達する見込み。今回掘削の詳細設計を委託する延長6.6km区間については、先行して樹木の伐採工事を3月までに入札発注する予定だ。

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