本県トイレは62% 学校施設のバリアフリー化(文部科学省)

[2023/1/13 茨城版]
 文部科学省ではこのほど、学校施設(国公立の小中学校等および特別支援学校の施設)のバリアフリー化を推進するため、バリアフリー化の実態について調査を実施し、結果をまとめた(22年9月1日時点)。校舎については、バリアフリートイレの整備率が70.4%で、前回調査時(20年度)から5.2ポイントの上昇。本県では62%に達している。同省では、バリアフリー化の進捗状況を確認するとともに、学校設置者に対し、更なる取り組みの推進について要請していく。

 20年5月の「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」などの改正に伴い、特別特定建築物に公立小中学校などが追加された。特別特定建築物は同法で、「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物その他の特定建築物であって、移動等円滑化が特に必要なもの」とされ、改正法の附帯決議において、公立小中学校については、既設であっても数値目標を示し、バリアフリー化を積極的に進めることが盛り込まれた。

 文科省ではこれを踏まえ、「学校施設バリアフリー化推進指針」を改訂し、21年度から25年度までの5カ年で集中的な整備を進めるため、目標の達成に向けて公立小中学校等の学校設置者に対し、バリアフリー化の取り組みの加速を要請している。今回、公立小中学校等施設も含めた学校施設のバリアフリー化の進捗状況を把握し、取り組みを推進する基礎資料とするため、20年度に引き続き、実態調査を実施した。

 調査対象は、国公立の小中学校や特別支援学校の設置者。調査項目は、学校施設のバリアフリー化に関する方針となる学校施設のバリアフリー化に関する整備計画の策定状況等や、学校施設のバリアフリー設備整備状況(バリアフリートイレ、スロープ等による段差解消、エレベーター)としている。

 調査結果で公立小中学校(2万7733校)のバリアフリー化の状況を見ると、校舎ではバリアフリートイレの整備率が70.4%となったほか、スロープ等による段差解消では、門から建物前までが82.2%、昇降口・玄関などから教室までが61.1%となり、エレベーターが29%となった。これらについては、25年度末の整備率の目標として、避難所に指定されている全ての学校(約93%)に整備するとしているほか、スロープ等による段差解消は全学校、エレベーターは要配慮児童生徒らが在籍する全ての学校(約41%)に整備するとしている。

 公立小中学校の体育館(2万7514校)については、バリアフリートイレが41.9%となったほか、スロープ等による段差解消では、門から建物前までが77.9%、昇降口・玄関などからアリーナまでが62.1%となり、エレベーターが70.5%となった。

 このほか、学校施設のバリアフリー化に関する整備計画の策定状況などでは、学校設置者(全1810設置者)のうち、計画や方針などがある学校設置者は25%となっている。

 本県の状況を見ると、公立小中学校の校舎(668校)では、バリアフリートイレの整備率が62%(体育館34.1%)となったほか、スロープ等による段差解消では、門から建物前までが78%(同68.6%)、昇降口・玄関などから教室までが57.3%(同49.4%)となり、エレベーターが27.7%(同64.2%)となっている。これらを学校設置者別で見ると、バリアフリートイレでは、県や土浦市、高萩市、行方市、大洗町、東海村、河内町が100%となる一方、結城市は12校中1校の8.3%に留まっている。

 整備計画の策定状況は、県を含む45設置者のうち、28.9%に当たる13設置者(土浦市、北茨城市、取手市、牛久市、守谷市、那珂市、坂東市、稲敷市、かすみがうら市、神栖市、行方市、大洗町、阿見町)に留まった。

 本県の公立小中学校校舎の整備予定を見ると、目標となる25年度の整備率は、バリアフリートイレが63.8%(体育館39.2%)となったほか、スロープ等による段差解消では、門から建物前までが79%(同69.5%)、昇降口・玄関などから教室までが60%(同52.6%)となり、エレベーターが30.7%(同65%)となっている。このうち、設置者別のバリアフリートイレでは、既に100%を達成している7設置者(県、土浦市、高萩市、行方市、大洗町、東海村、河内町)に加え、取手市や美浦村、五霞町で100%を達成する見通しとなっている。

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