朝日中で長寿命化 当初予算 曙街区公園整備に2.5億円(阿見町)

[2023/2/15 茨城版]
 阿見町(千葉繁町長)は13日、23年度当初予算案の概要を発表した。一般会計の総額は188億2400万円で、前年度当初比6.6%増の過去最大規模となっている。主な事業では、朝日中学校の長寿命化工事に総額9億8508円の2カ年継続費を設定するほか、曙地区街区公園整備に工事費2億5330万円、都計道寺子・飯倉線整備事業に2億4907万円などを確保している。

 予算編成に当たっては、町税収入は増収が見込まれる一方、原油価格や物価高騰による悪影響が懸念されるなど、今後も予断を許さない状況にあるとしたうえで、財政の健全化を図りながら、総合計画後期基本計画に定めた施策を着実に推進するため、税収や補助金・交付金の確保など財源の確保に努める一方、施策の無駄を排除し、優先順位付けによって効果的な資源配分を行うとした。

 一般会計に占める普通建設事業費は19億3325万円で、中学校施設整備事業や公園緑地整備事業等の増により、前年度当初比57・2%増の大幅な増加となった。特別会計と企業会計を含めた総額は331億0400万円となり、一般会計の大幅な伸びのほか、介護保険特別会計と下水道事業を除いた会計がいずれも増額したことから、全体では前年度当初比4.4%の増額となった。

 主な事業のうち、朝日中学校の長寿命化工事は、町の学校施設長寿命化計画(20年度から概ね40年間)に基づき進めるもの。対象は、1980年建築の普通教室棟(RC造3階建て延べ2693平方m)と特別教室棟(RC造3階建て延べ1720平方m)とする。いずれも耐震化工事は完了しているが、完成後40年が経過するなど老朽化が進み、町が実施した劣化度調査でも、外装や内装は早急に対応する必要があるD判定、電気設備も広範囲に劣化が進んだC判定とされるなど、緊急度の高い施設に位置付けられている。

 本年度は、綜企画設計(東京都中央区)に委託し、実施設計を策定した。当初予算には、工事費で総額9億5266万円、設計監理業務委託料で総額3242万円の2カ年継続費を設定。工事は2カ年で進め、設備の更新や構造体の保護対策を行う計画だ。

 公園緑地整備事業には2億6953万円の事業費を確保し、曙地区街区公園整備に着工するほか、新たに荒川本郷地区の近隣公園整備へ測量などに着手する。曙地区の街区公園は、都市計画道路西郷・大室線沿いの旧町営住宅跡地に整備を行うもので、整備面積は約7500平方mで計画。これまでは、町民参加によるワークショップなどを開催しながら内容を詰めてきたが、敷地内には芝生広場を中心に、複合遊具やトイレ、防災機能(井戸)などを整備する計画だ。現在は、あい造園設計事務所(東京都杉並区)により実施設計を策定中で、年度内にまとめて6月定例議会後に着工する。23年度中の完成を目指すが、状況により繰り越す可能性もあるとしている。このほか、荒川本郷地区には、より規模の大きい近隣公園の整備を計画し、整備規模などを検討していく。

 21年度から改良工事や舗装工事を進める都市計画道路寺子・飯倉線整備事業では、新年度も引き続き工事を実施する。寺子・飯倉線は、西側が14年5月に供用を開始した中郷寺子線と荒川沖寺子線の接続部から、東側の阿見東部工業団地付近までの延長約1650m(幅員17m)で計画。事業期間は15-24年度の10年間で、総事業費には約17億円を投じる。

 このほか、牛久阿見IC周辺開発事業には636万円の事業費を確保し、事業化に向けた支援などを進める。この事業は、圏央道の4車線化やICアクセス道路の整備進捗に合わせて利便性の高まりが予想される牛久阿見IC周辺約68.1haを対象に、新たな産業創出の拠点として生産・流通系の土地利用を検討するもの。対象は、実穀地区の乙戸川西側で、現況は市街化調整区域となっている。事業化支援では、当該地区の権利調査や地権者への意向調査、地権者組織設立に向けた支援などを行う。

 荒川本郷地区都市計画道路整備事業では1922万円を予算化し、都計道本郷・中根線(延長1100m)や公園通り線(延長350m)の事業認可手続きを進める。都市排水路整備事業では2億0460万円を予算化し、中央8丁目(延長約340m)や富士団地内(延長約140m)で排水路整備や雨水管改修などを行う。

 道路橋梁維持補修事業には4億7753万円を計上し、このうち橋梁修繕(6橋)や舗装修繕(6路線、延長約2100m)には1億4850万円を投じる。道路新設改良事業では1億4340万円を予算化し、舗装工事(5路線、延長約435m)や排水整備工事(1路線、延長約100m)を行う。

 公共下水道事業(汚水)では管渠整備やポンプ場の更新などに事業費5億0910万円を確保するほか、水道事業では、配水施設整備事業で水道管の新設工事などに3億3800万円、老朽管布設替事業に8984万円を予算化している。

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