江戸川水閘門改築と田中調節池改修「新規事業化が妥当」 (国交省の事業評価委)

[2023/3/8 千葉版]
 国土交通省の社会資本整備審議会河川分科会事業評価小委員会(委員長・小林潔司京都大学名誉教授)が7日に開かれ、直轄河川事業の新規事業採択時評価を実施した。千葉県関連では江戸川特定構造物改築事業(江戸川水閘門)と利根川・江戸川直轄河川改修事業(田中調節池)の2件について、「新規事業化が妥当」とした。総事業費は順に540億円、470億円を概算している。

 同省では、公共事業の効率性や実施過程の透明性を向上するため、新規事業採択時評価を実施している。2023年度予算の成立を見据え、新規事業候補箇所について、地方負担の負担者である都道府県への意見聴取や同委員会の意見などを踏まえ、3月末に評価結果を公表する。

 江戸川水閘門は、市川市と東京都江戸川区にあり、江戸川放水路分派後の旧江戸川上流端に位置する。1943年3月に竣工した施設で、築80年が経過し、老朽化が進んでいる。

 施設は鋼製ローラーゲートで、規模は水門が幅10.6m×扉高5m×5門、閘門が幅13.4m×扉高6.5m×2門。

 老朽化した江戸川水閘門を改築し、江戸川下流部で河川整備計画の目標流量毎秒5000m3のうち、1000m3を旧江戸川へ適切に分派させる計画だ。

 事業内容は水門(3門)や閘門を整備するほか、電気・機械設備工や管理用通路、現施設の撤去などを想定。事業期間は23年度から33年度までの11年間とし、総事業費は約540億円を見込む。費用対効果(B/C)は2.1となった。

 田中調節池は、我孫子市と柏市にまたがり、利根川と鬼怒川の合流点下流の右岸側に位置する。現在の洪水調節容量は約6100万m3となっている。

 田中調節池の治水機能を向上させるため、大規模改良工事を計画。調節池の堤防をかさ上げするとともに、越流堤を約6.2km上流に移設し、調節池の貯留水位を約80cm上げて、洪水調節容量を1100万m3増やす計画だ。

 事業期間は23年度から35年度までの13年間とし、総事業費は約470億円を概算。費用対効果は1.4となっている。

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