来年度に基本設計 じゃがまいた伝承館(小山市)

[2023/3/15 栃木版]

 小山市は、間々田地区の重要無形民俗文化財であるじゃがまいたの伝承館の建設に向けて、整備基本計画案をまとめた。それによると、規模と構造は平屋建て・660平方mとし、蛇の模型や映像などによる紹介、壁面展示などを行う施設にする。2023年度に基本設計、24年度に実施設計を策定し、25年度に着工する構想で、23年度当初予算案には建築および展示の基本設計の委託料で1220万円、整備地の地質調査の委託料で1946万円を配分している。

 間々田地区のじゃがまいたは、田植えの時期を前に五穀豊穣や疫病退散を祈願するお祭りで、龍頭蛇体の巨大な蛇(ジャ)を担いで町中を練り歩くものとなっている。19年3月には、国の重要無形民俗文化財に指定されており、市はじゃがまいたの技術や伝統を後世に伝承していくため伝承館を整備する。この施設では、技術の伝承事業、記録・保管・公開事業、歴史情報発信事業を行う計画で、建設候補地は間々田八幡公園近隣の間々田地内の農地で検討を進めている。

 伝承館の活動計画では、導入体験として設立意義を紹介するグラフィックや蛇の模型を設置する。技術伝承に向けては、蛇づくりについて道具や素材等の実物展示、映像端末、体験型の展示装置を埋め込んだ壁面展示(からくりウォール)を整備するほか、シアターを用いた映像紹介などを実施する。記録・保存活動では、じゃがまいたについての関する情報を記録保存し、データベースを作成する。

 施設の内容は、技術伝承活動を行う箇所で▽じゃがまいた伝承室1(A100平方m)▽倉庫(A15平方m)▽水場・荷捌き・車入れ(A55平方m)-、展示伝承活動を行う箇所で▽じゃがまいた伝承室2(A150平方m)▽倉庫(A28平方m)-とした。

 じゃがまいた伝承室1は、100人規模の会議や講習会・勉強会が可能で、可動式椅子・机・可動式モニターを配置する。同室2は展示機能や体験シアターを設置し、1と2をつなげて使用することも可能とする。水場・荷捌き・車入れについては、2トントラックが搬入可能で、7.5mの水場や大型道具の収納スペースを確保する。

 エントランスは出入口・風除室(A15平方m)と、エントランスホール(A80平方m)とし、ホールには蛇のレプリカやグラフィックパネルを設置する。

 共用部でトイレについては、男女トイレのほか、だれでもトイレも設置する。共用部では廊下のほか、授乳室や更衣室・休憩室も設ける。管理部門では事務室、ショップ、会議室、収納・湯沸、機械室などを設置する。外構部では、管理者用駐車場3台・伝承館駐車場7台のほか、屋外広場も整備する。

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