9月にも事業者選定 文化会館とあくとプラザ 改修・管理のDBO(佐野市)

[2023/3/24 栃木版]

 佐野市は、市文化会館のリニューアルおよび文化施設運営事業で、このほど事業方式の方針を明らかにした。事業は設計・工事・維持管理・運営を包括的に発注するDBO方式を採用し、公募型プロポーザル方式で事業者を募集する。募集要項等は4月に公表し、9月に事業者を選定して、12月に事業契約を締結する計画。施設整備は24年1月から設計に着手し、改修工事を2025年5月から着工して、27年4月の供用開始を予定している。

 市文化会館は建設から40年以上が経過し、設備関係の老朽化が著しいため、早急な改修改善が必要となっている。市では葛生あくとプラザと合わせ、設計・工事・維持管理・運営を包括的に発注する方針で、事業方式を検討した結果、DBO方式を選定した。23年度当初予算では、設計や工事等の建設費に23~24年度の2カ年で57億1700万円を設定し、維持管理・運営は25~36年度の12年間で15億5890万円の債務負担行為を設定している。

 市文化会館(浅沼町508-5)は1979年に開館したSRC造地上3階・地下1階建て・延べ床7540.37平方mの施設で、大ホール棟・小ホール棟・会議室棟・展示室棟・事務棟などで構成している。この事業では本体施設のほか、駐車場、勤労会館駐車場、駐輪場、庭園、外構を対象とし、あわせて葛生あくとプラザ(あくと町3084)の維持管理・運営も行う。

 市文化会館は、安全性の確保、催事やサービスの安定運営、劣化箇所の改善および将来起こりうる劣化対応、長寿命化を考慮した改修を実施する。施設改修は全体的に、床・壁・天井仕上げ等の改修を実施。大ホールと小ホールは客席椅子・舞台機構・照明・音響の更新などのほか、特定天井の改修を行う。リハーサル室は遮音性能の向上を図り、男女浴室および男女更衣室、シャワー付き楽屋に用途変更する。展示室A・Bは、ピクチャーレールや照明機器の更新も行う。

 外壁はレンガタイルや外壁シールを補修し、屋根は防水工やサル梯子の更新を行う。外構は大ホール搬入口前の築山を撤去し、メタモールは車寄せ庇の更新、駐車場は白線引き直しを実施する。電気・空調・衛生の各設備も全体的に更新するほか、照明LED化、Wi-Fiなどの情報設備増設も行う。設計業務は24年1月から25年4月、既存設備撤去工事は24年7月から25年7月ごろに行って、改修工事は25年5月から26年12月の工期を予定している。

 事業の参加にあたっては、複数の企業等によるグループを組成する。応募者は設計企業・建設企業・運営企業・維持管理企業で構成する特定事業者とする。市と特定事業者が基本協定および基本契約を締結するほか、設計企業と建設企業が共同企業体を組成して市と設計施工一括契約、運営企業・維持管理企業が共同企業体を組成して市と支店管理者基本協定を締結する。

 実施方針や要求水準書案によると、設計・工事監理業務を行う企業は過去25年以内に1000席以上のホール施設の設計実績および同等規模以上の公共施設の改修設計実績を有するなどの条件を満たす、市の23・24年度の入札参加資格を持つ業者としている。

 また改修工事を行う企業は、過去25年以内に1000席以上のホール施設の施工実績および同等規模以上の公共施設の改修施工実績を有するなどの条件を満たす、市の23・24年度の入札参加資格を持つ業者とする。

 維持管理業務を行う企業は、同等規模以上のホール施設の維持管理業務実績を有するなどの条件を満たす業者とする。運営業務を行う企業は、同等規模以上のホール施設の運営業務実績を有するなどの条件を満たす業者としている。

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