交流拠点など検討 新まちづくり構想のたたき台(小美玉市)

[2023/6/28 茨城版]
 小美玉市はこのほど、「新まちづくり構想」のたたき台を公表した。これは防衛省のまちづくり構想策定支援事業の補助を受けるため、20年に策定した市のまちづくり構想を発展させ、13事業について整備方針などをまとめたもの。このうち、百里飛行場前やJR羽鳥駅前には、新交流拠点施設の整備を検討する。百里基地周辺国有地では、公園整備や周辺道路の拡幅などを実施。今後は委員会や分科会で詳細な検討を進め、来年1月ごろにパブリックコメントの実施を予定している。

 20年3月に策定した「まちづくり構想」では、百里基地と茨城空港を核とした地域振興の活性化に取り組むため、▽そらら拡張▽そらら参道▽エコトープ▽Jフロント──の4つの整備構想を検討していた。このうち、そらら拡張については、22年10月に基本計画を策定した。

 今回の新構想では、21年6月の茨城空港アクセス道路の開通や、国道6号小美玉道路整備計画の検討などを受けて、構想を空港周辺だけでなく、市全体へと拡充することになった。対象となるのは、▽百里飛行場前▽百里基地周辺国有地▽小美玉温泉ことぶき▽やすらぎの里小川▽小川市街地▽旧小川小跡地周辺▽JR羽鳥駅前▽羽鳥市街地▽新しい拠点▽大井戸湖岸公園▽権現山公園▽公共施設適正化──の13事業となる。今後、この中から実施計画を策定する段階で防衛省の補助支援を受ける事業を決定し、整備を進めていく。

 対象事業のうち、百里飛行場前地区と百里基地周辺国有地、JR羽鳥駅前の3事業については、それぞれ個別の基本計画案が公表されている。百里飛行場前地区については、昨年度に基本計画を策定したそらら拡張を除く3つの整備構想を統合した。飛行場と空のえきそららを繋ぎ、市民や空港利用者、基地利用者、自衛隊員など多様な人々の憩いの場となる新交流拠点としての整備を計画する。施設には、百里基地に係る様々な情報や航空産業などについて学ぶスペースや、防災・交通の拠点としての機能を盛り込むことなどを検討しているもようだ。

 百里基地周辺国有地は、防衛省が所有する百里飛行場周辺の騒音対策のための緩衝地域。現在の同地域は未利用の荒地となり、景観も悪く緩衝機能も低いことから、市が利活用を図っていく。その際、点在する小規模な用地は、農園や駐車場、物置などへの個別利用を図る。比較的隣接・集積する上合大砂地区と与沢紋谷地区、上合高場地区については公園のほか、周辺道路や駐車場の整備を実施していく。

 JR羽鳥駅前では、東口駅前広場の北側に新交流拠点施設の整備を検討する。この施設は羽鳥ふれあいセンターと羽鳥公民館、美野里公民館などの施設を集約・複合化するものとなる。市外からの来訪者に向けて、百里飛行場やその周辺施設について発信し、市の玄関口として飛行場周辺への来訪を誘導ための必要な機能を導入する。具体的には、市民と自衛隊員が交流できる施設とし、百里飛行場や自衛隊の広報などを行う。このほか駅前交流拠点として、図書館や観光案内所などの機能を盛り込む計画だ。

 このほか、小美玉温泉ことぶきでは、上吉影小学校跡地や周辺国有地などと連携した交流空間の創出を図るため、ニュースポーツ拠点の整備などを行う。旧小川小跡地では、隣接する小川公民館や周辺に点在する公共施設と一体的に、公園や生涯学習施設の再整備などを実施する。玉里市街地では、行政施設や教育施設の集積を生かしつつ、公共施設の跡地の利活用などを含め、公園のあり方などについて検討していく。

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