破砕施設などを増築 対象はつくば市の産廃施設(県都計審)

[2023/7/8 茨城版]
 県都市計画審議会(会長・中川喜久治県商工会議所連合会副会長)は4日、県市町村会館で第1回審議会を開催した。今回は付議案1件を審議。つくば市において、廃棄物処理施設の敷地の位置に関する都市計画上の支障の有無を「支障なし」と決定した。内容としては、あおぞら(つくば市、上甲龍也代表取締役)がつくば市片田地内に位置する廃棄物処理施設の増築を行う。今回の整備で、許可時の処理能力の約2倍になる見通しだ。なお、審議内容は同日付で県知事に答申した。

 あおぞらは06年度に建築基準法第51条ただし書許可を取得し、産業廃棄物と一般廃棄物から再生固形燃料(RPF)を製造する事業を営んでいる。今回の計画では、既存の廃棄物処理施設の敷地内に新たに圧縮梱包工場棟と破砕施設を設置する。これは取引先が行うケミカルリサイクル事業で必要となる原料を製造するための対応となる。

 なお、増設により計画処理能力は、許可時の1日あたり212tから421tに変更となり、約2倍の処理能力を有することになる。建築基準法第51条では、許可が下りた処理能力の1.5倍までの増設は手続きを必要としないと規定している。今回の増設では、1.5倍を超えるため、改めて許可を取ることになった。

 整備場所はつくば市片田字浦割東492-12の敷地1万6049平方mとなる。既存施設は破砕選別・再生固形燃料製造工場棟(S造平屋2055平方m)や事務所棟(S造2階建て、延べ264平方m)など10棟で、床面積は合計3868平方m。処理能力について、許可は1日あたり212t(106t×2基)で取得したが、当初から1基のみを設置しており、現状は1日あたり106tとなる。

 増築する施設は圧縮梱包工場棟2棟で、床面積は合計543平方mを予定する。新設する破砕機は1基とし、処理能力は1日あたり315tとなっている。

 増設計画では、まず、南側の圧縮梱包工場棟(S造平屋429平方m)を増築した後、同施設の既存施設である製造工場棟の圧縮梱包機を移設する。続いて、製造工場棟の空いたスペースに破砕機を新設。最後に、北側の圧縮梱包工場棟(S造平屋114平方m)を増築し、圧縮梱包機を新設することを予定している。この計画では、破砕機は工場棟内に設置するため、周辺環境への影響に配慮した内容となる。

 審議では地元説明会の開催や廃棄物処理施設の機能、騒音対策などについて、質問が出た。また、同施設は廃棄物の有効利用とごみの減量化に寄与するものであり、騒音や振動などに対する環境保全対策が講じられていることを評価。さらに、既存廃棄物処理施設内の計画であり、つくば市の都市計画上においても特に支障はないとしている。

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