鹿行地区で現地調査 東関道や鹿島港湾など視察(県議会土木委員会)

[2023/8/2 茨城版]
 県議会土木企業立地推進委員会(金子晃久委員長)は7月26日、鹿行地区で現地調査を実施した。今回は行方市で東関道水戸線の整備事業や、神栖市で鹿島港の整備、鹿嶋市で鹿行水道事務所内の非常自家発電設備の視察を行った。常総国道事務所や県の担当者から説明を受けて、各事業の進捗状況を確認した。金子委員長は各事業の重要性を認識したうえで、県議会としても引き続き土木行政に取り組んでいく考えを示した。

 調査ではまず、行方市両宿地内の東関東自動車道水戸線の北浦IC(仮称)整備の視察を実施。常総国道事務所の浜谷恒平所長らから東関道水戸線の事業全体の進捗について説明を受けた。

 同線の潮来市延方の潮来ICから鉾田市飯名の鉾田ICの30.9kmは、鹿島港や成田国際空港、茨城空港へのアクセス向上を図り、北関東地域と東関東地域の連携交流の促進に寄与するものとして、25~26年度の開通を目指して整備が進められている。09年に事業化され、全体事業費は1760億円と試算。進捗率は、22年度末の事業費ベースで68%となる。23年度当初予算にも198億円を確保しており、引き続き調査設計、用地買収、橋梁上下部工、跨道橋工、改良工、函渠工などを進めている。

 続いて神栖市東深芝の鹿島港湾事務所に移動。事務所内で鹿島港の港勢概要や整備・維持管理状況について説明を受けた後、乗船し港湾施設などを視察した。鹿島港は、鹿島臨海工業地帯の原料・製品の輸送基地機能や、首都圏の東の玄関口としての物流機能など、重要な役割を担っている。

 また、南東側の約680haでは、ウィンドパワーエナジーによる洋上風力発電事業の実施に向けて準備が進められるなど、さらなる注目を集めている。現在は港湾機能の強化のため、外港地区での漂砂対策の防波堤整備や、日川海岸での津波高潮対策の護岸整備、南公共埠頭での荷役期間五の撤去工事などを進めている。

 最後に鹿嶋市宮中にある鹿行水道事務所に移動し、同事務所内の鹿島浄水場に整備した非常用自家発電設備(ガスタービンエンジン)を見学した。この設備は災害時において大規模停電が発生した際にも、水道用水を管内5市へ確実に供給するための電力の確保を目的として整備したもの。鹿島浄水場では、東日本大震災を契機として、13年度には先行して工業用水用の自家発電設備を整備していた。

 工事では非常用自家発電設備のほか、発電機棟の整備も実施。20-21年度の2カ年で行われ、総事業費は5.4億円となる。

 今回の県内調査について、金子委員長は「東関道水戸線の整備は、同区間がミッシングリンクとなっていることもあり、企業立地の面からも大きな期待が寄せられている。25~26年度の開通に向けて、県議会としても精一杯後押ししていく」などと述べた。また、鹿島港については、カーボンニュートラルを推進するうえで港の役割が大きく注目されていることに触れ、「次世代に向けた港湾運営を実現するため、土木行政としても調査検討を実施していく」と意気込みを語った。

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