上・中鉢石町の改良着手 事業概要 100カ所に約53億円を計画(日光土木)

[2023/9/27 栃木版]

 県日光土木事務所は、2023年度の事業概要と実施予定箇所をまとめた。国庫・交付金と県単を含め、100カ所に53億7000万円を投入する。内訳は、道路・街路事業が66カ所で48億7000万円、河川砂防事業が34カ所で5億円。主な事業は、国道121号文挟バイパスの用地取得を推進するほか、国道119号は下鉢石町工区の道路改良工事を進めるとともに上・中鉢石町工区にも着手した。新規事業は、3・4・11号赤間々今中線の清原町で道路改良を計画し事業説明会を開催するほか、国道119号で大沢小・中学校前の歩道を整備する。 =2面に事業実施予定箇所

 主な事業を見ると、国道121号の文挟バイパス(第1工区)は日光杉並木街道の保護や歩道の確保などを図るため、整備済みの板橋バイパスから主要地方道宇都宮今市線までの延長約3500mを整備している。本年度は、用地買収と道路改良工事を進める。

 都計道3・4・20平町東町線外2路線の街路事業は、国道119号から東武下今市駅までの道路の幅員が狭く歩道も無いため、延長555mにわたり車道拡幅と歩道整備、電線地中化を進めている。用地取得は完了しており、本年度は電線共同溝の整備や道路照明工事を実施して、25年度の事業完了を目指す。

 また新たに、都計道3・4・11号赤間々今中線の清原町工区で街路事業の調査を行う。延長1000mにわたり6mの幅員を15mに拡幅し、現在北側にしかない歩道を両側に設置する。あわせて、線形改良と電線共同溝を行う予定で、本年度は事業調査を進める。

 国道119号の下鉢石町では、JR日光駅や東武日光駅から「日光の社寺」へ通じる区間で、歩道を両側1mずつ拡幅しながら、無電柱化や段差解消などを行っている。本年度も引き続き、用地補償や道路改良工事を実施する。

 この路線は日光橋側の上鉢石町・中鉢石町でも、拡幅・無電柱化のための測量・設計を開始した。上鉢石町は南側に崖地が迫っているため、急傾斜事業として砂防調査の測量にも着手。このあと具体的な工事内容を検討し、24年度に交付金化して本格的に進める。なお、日光橋では橋梁補修を実施しており、本年度の完了を予定する。

 国道121号の川治地内では、五十里から川治温泉川治までの防災対策で、優先区間となる延長約3400mを国交省の直轄権限代行事業で整備する。県日光土木事務所ではもみじライン口以降でこの直轄区間を除いた区間について、環境調査や橋りょう予備設計、路線測量修正などを実施している。

 国道122号の道路改良では、砂畑地区、神子内地区で防護柵や防護ネット設置などの落石防止工事を行っている。神子内地区では、カーブがきつい箇所を拡幅して線形を緩くする改良工事も行っており、本年度で完了の予定となっている。

 主要地方道川俣温泉川治線の若間工区は、落石等の防災危険箇所が多くかつ屈曲している。現道拡幅には多額の費用を要するものの危険性の完全な解消が困難なため、大川築から若間集落までの区間はトンネル工事、その他の区間は拡幅を行う。延長は2500mで、このうちトンネル部分は延長931m。本年度は、用地取得やトンネル前後区間の一部道路改良工事を実施する。

 国道119号では、現道の歩道が狭小なため、道路幅員を15m(車道3m×2、路肩1.5m×2、歩道3m×2)に拡幅して新たに歩道を整備する。施工箇所は大沢交差点と大沢バイパスの間の中抜け区間(延長150m)で、大沢小学校や大沢中学校の通学路にもなっている。本年度は設計を発注済みで、24年度から用地買収を進める。

 一級河川古大谷川の倉ケ崎、川室地区では、ブロック積みの護岸工事の実施に向けて護岸設計と用地測量を行う。24年度から用地取得を進める。

 寅巳山沢の山口地区は、砂防堰堤の設置に向けて概略設計を行う。24年度から交付金化するため、事前調査を進める。

 国道461号の大渡地区は、日光市と塩谷町との行政境にある大渡橋の南側で線形がクランク状となっており、走行性向上のためミニバイパスを整備する。本年度は計画説明会を開催し、用地調査に着手したい考え。延長はおよそ700m程度で計画し、24年度以降の事業化を目指す。

 主要地方道川俣温泉川治線の川俣地区は、山岳道路で屈曲しており幅員も狭いため、新たに堆雪帯を設置するのにあわせて現道拡幅や線形改良を実施する。本年度は測量や設計を行い、ルートや整備手法を検討。交付金化しており、24年度以降に用地調査・取得に着手する。

 川俣温泉川治線の日蔭地区は、狭あい、屈曲している箇所があり、鬼怒川を渡河している竹の上橋は老朽化している。このため、本年度に道路の概略設計を行い、橋の改良も含めて現道拡幅またはバイパス整備を検討する。24年度に詳細設計や事業説明会を実施して、事業化を目指す。

 県道山久保平ケ崎の白崖橋は、老朽化のため架け替える。年内に北側に仮設道路と仮橋を造り、その後に現橋を撤去して新橋を架設する。年内には新橋の下部工を発注して、上部工も年度内には発注したいとしている。

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