観光地周辺で渋滞対策 9月補正 上・中鉢石町は共同溝設計(栃木県道路整備課)

[2023/10/19 栃木版]

 県は9月の補正予算で、県単公共事業費に9億円、公共事業関連調査費に1億円を追加した。県道路整備課では、県単公共事業のうち3億円を確保して、国道120号竜頭の滝や国道123号天矢場交差点など、観光地へのアクセスや周遊を支える道路の小規模改良を実施する。また、公共事業関連調査費のうち3000万円で、国道119号上・中鉢石町工区の電線共同溝予備設計などを前倒し、交付金事業などの円滑な導入を図る。

 県単公共事業費は、当初予算の30億1600万円に今回の3億円を追加して、事業費を33億1600万円とする。コロナが明けて観光地への人出が復活してきており、渋滞も出始めてきていることから、これに対応するため観光地周辺で渋滞対策に資するような事業に事業費を上乗せした。

 代表的な箇所として、国道120号の日光市中宮祠の竜頭の滝の入口は、西進側に右折レーンを設置する。既に設計は完了し、用地も保安林に掛かるので保安林解除申請を行っている。

 国道123号の天矢場交差点は、道の駅から向って益子町方面に左折した先の踏切の影響で直進する車両の通行を阻害するのを避けるため、左折車線を設置して直進車線と分離する。これにより、モビリティリゾートもてぎや益子町への交通を円滑化を図る。

 県民の森や尚仁沢湧水のアクセス道路となる主要地方道矢板那須線の下太田交差点は、交差する旧道に左折レーンを設置することで直進する車線と分離し、交通の円滑化を図る。

 主要地方道那須高原線の広谷地交差点の北側では、那須街道が沿道の店舗の駐車場に入る右折・左折車が渋滞の要因となっていることから、既存の幅員内で路肩を拡幅することで、駐車場に入る車両をよけて直進できるようにする。

 なかがわ水遊園周辺の国道294号中の原交差点は、現在の294号と旧道が交わる交差点だが、緩い勾配のある箇所で主交通が斜めに行く関係で左右にカントがついて危険なことから、交差点の勾配を改善する。

 県道佐野太田線の川崎橋北側にある川崎町交差点は、あしかがフラワーパーク方面への交通の円滑化を図るため、交差点改良を実施して左折レーンを設置する。

 公共事業関連調査費は、防災・減災対策や通学路対策で交付金事業などに円滑に移行できるよう、調査費を補正予算に前倒して計上した。このうち県道雀宮真岡線の新富町は、起点部の国道4号と交差する五差路から東側のJR宇都宮線の踏切までの歩道が無いことから、拡幅と歩道整備に向けて本年度は路線測量を実施する。

 国道119号の上・中鉢石町工区は、電線共同溝予備設計を前倒して発注する。南側の下鉢石町工区に引き続き現道の狭小な歩道を拡幅し電柱を地中化することで、歩行者・自転車の安全を確保するとともに魅力ある街並みを形成し、上鉢石町の急傾斜崩壊対策事業と一体的に整備することで防災機能の強化も図る。

 県道芳賀茂木線の千本工区は、幅員が狭小で急なカーブもあり見通しが悪く、歩道も無くて危険なため、国道294号から市貝町境までの区間で現道拡幅やバイパス整備を視野に入れながら、まずは線形検討のための概略設計を実施する。

 主要地方道桐生岩舟線の免鳥町工区は、主要地方道佐野行田線との交差点の影響範囲より西側で歩道が狭いことから、これを拡幅するための詳細設計を策定する。

 なお県の9月補正予算では、国予算の内示増に伴い公共事業費に46億5794万円を追加し、このうち道路整備課分で34億1100万円を配分した。これは国の3月の内示に対して、受入額が決まったことで県予算の金額を変更したもの。当初予算の192億0900万円に今回の補正額を追加し、補正後の事業費を226億2000万円とする。

 以下、9月補正予算の主要箇所は次の通り。
【県単公共事業費】
▽国道120号・竜頭の滝(日光市)=竜頭の滝入口部に右折レーンの設置
▽国道123号・天矢場(茂木町)=モビリティリゾートもてぎへのアクセス路の交差点改良
▽主要地方道矢板那須線・下太田(矢板市)=県民の森、尚仁沢湧水へのアクセス路の交差点改良
▽主要地方道那須高原線・広谷地(那須町)=那須高原へのアクセス路の路肩拡幅(短期対策)
▽国道294号・中の原交差点(那珂川町)=なかがわ水遊園周辺の交差点改良
▽県道佐野太田線・川崎町交差点(足利市)=あしかがフラワーパーク周辺の交差点改良
【公共事業関連調査費】
▽県道雀宮真岡線・新富町(宇都宮市)=路線測量
▽国道119号・上・中鉢石町(日光市)=電線共同溝予備設計
▽県道芳賀茂木線・千本(茂木町)=概略設計
▽主要地方道桐生岩舟線・免鳥町(佐野市)=詳細設計

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