安藤ハザマJVが落札 牡鹿半島に820mトンネル掘削(宮城県出納局)

[2023/10/19 宮城版]
 宮城県出納局は10月18日、WTO対象の「仮称・大谷川浜小積浜トンネル工事」について、入札結果を公表した。安藤ハザマ(東北支店・仙台市青葉区)を代表者とするJVが、35億2300万円で落札した。予定価格は38億5630万8000円だった。牡鹿半島の中心部を横断する新設道路に関し、延長820mのトンネルを掘削する。

 トンネル工事の発注に向けて、出納局は3社で結成したJVを対象とした一般競争入札を8月25日に開札した。20JVが参加申請書を提出し、このうち19JVが実際に応札した。安藤ハザマJVの入札金額は7位タイだった。構成員には橋本店(仙台市青葉区)と木村土建(東松島市)が入っている。

 調査基準価格は35億4780万3000円で、上位10JVがこの基準を下回った。出納局は低入札価格調査を行った結果、数値的判断基準によって3JVを落札不適当と判断した。その後の総合評価(標準型)で安藤ハザマJVは、総合評価点90.00点(価格70.00点+価格以外20.00点)を収めて落札を決めた。施工計画の項目などが高く評価された。

 宮城県は牡鹿半島の防災道路ネットワークの強化策として、鮫浦湾に面する東岸の大谷川浜(石巻市)と、西岸の小積浜(同)とを東西に結ぶ延長1840mの横断道路(全幅8.5m)を新設する考え。大谷川浜を通る県道41号女川牡鹿線、小積浜を通る県道2号石巻鮎川線とを結びつけ、災害時でも安全に避難できるルートを確保する。また、物流や観光促進にも生かしていく。総事業費に約60億円を投じ、2027年度中の完成を目指している。

 横断道路のうち、県道220号牡鹿半島公園線(コバルトライン)の直下をくぐる山岳区間には、ナトム工法で820mのトンネルを掘削する。工事では施工延長888mのうち、トンネルの起・終点側で杭門工を施工する。トンネル内では支保工、覆工コンクリート工、防水工を行い、全幅7.5m(車道6m)を確保する。工期は2026年3月27日まで。

 トンネルより東側となる大谷川浜工区(延長234m)では、丸本組(石巻市)が初弾工事を施工中。西側の小積浜工区(延長786m)では、若生工業(石巻市)が初弾工事を施工している。宮城県は今後、未発注区間の道路改良工事を促進していく。

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