再エネに新税創設を 要望項目承認 会館建替えは上限23億円(栃木県市長会)

[2023/10/24 栃木版]

 県市長会(会長・佐藤栄一宇都宮市長)は23日、日光市で2023年度第3回会議を開催し、県に要望する16項目の内容を協議して原案通り了承した。建設関連の要望は▽土砂災害ハザードマップ作成に係るデータ提供等について▽企業誘致にかかる行政手続き期間の短縮について▽ICT教育に係る費用の助成について▽クビアカツヤカミキリ予防対策事業の実施について▽産地づくりと一体的な荒廃農地対策の創設について▽森林開発を伴う再生可能エネルギー事業への新たな取り組みについて-などで、佐藤会長が後日、福田富一知事や各所管部長に対し要望活動を行う。会議ではこのほか、県自治会館と同敷地の活用整備計画を報告。12月に事業者募集を開始して、24年4月から新会館の設計・施工に着手する。   =建設に関係する要望書概要は後日掲載

 建設関係の主な要望を見ると、「土砂災害ハザードマップ作成に係るデータ提供等について」は土砂災害警戒区域や特別警戒区域の一括データを市町ごとに整備し、県から市町に直接貸与できるようにするとともに、区域の指定や見直しについて数年先を見据えた計画を作成し、市町と共有するよう要望する。

 また「森林開発を伴う再生可能エネルギー事業への新たな取り組みについて」では、宮城県が森林を開発する再生可能エネルギー事業者に課税する「再生可能エネルギー地域共生促進税条例」を制定したことから、本県もこのような先進事例を踏まえた「新税制度」を創設するなど、再生可能エネルギーの導入と環境保全の両立に向けた取り組みを一層加速するよう要望する。

 県自治会館の活用整備計画によると、新会館の規模は現会館と同等の会議研修6室と事務室の7室で、延べ床面積は2617平方mとする。整備手法は公募型プロポーザル方式で設計・施工一括発注のデザインビルド方式で行い、公募の参考事業費上限額は23億円とする。建物はZEBに配慮するとともに、県産材の利用も配慮する。

 スケジュールは12月にも事業者募集を開始して、24年3月に基本協定を締結する。翌4月から新会館の設計・施工に着手して、26年3月の工事完了を目指す。新会館完成後に現会館を解体して、26年9月頃から民間事業者へ貸し付けて、組合の継続的な収益確保を図る。貸付は借地期間を30年から50年とし、更地返還を原則とする定期借地権を採用する。

 建替えにあたっては、2050年とちぎカーボンニュートラル実現に向けてZEB Readyを目指していく。また宇都宮市が目指すウォーカブルな街づくり、自転車のまち推進計画に寄与できるよう、新たなモビリティ端末交通も視野にいれた施設の整備や、外構整備でもプレイスメイキングをイメージしたオープンスペースの創出も目指しながら、県産出材を活用していく。

 現在の県自治会館はRC造の延べ床面積2954平方mで、1976年に竣工した。築47年が経過し、設備の老朽化やバリアフリーに未対応なことから、「県自治会館建替えに関する基本的な考え方」に基づき2021年3月から、新会館の建替えと組合所有地の活用について検討してきた。

 現会館は08年9月に耐震工事を実施し、また09年2月には会館敷地に隣接する3910平方mの用地を新会館建設用地として取得している。用地取得から12年経過し、現会館の老朽化、低未利用財産の利用管理などを踏まえ、20年度から類似施設を調査し、新会館の建て替えの考え方を整理して建設に向けた検討を開始した。

 21年度には建物劣化診断調査と共に、その結果を踏まえた改修費用の算出と低未利用地の有効活用について、継続的に収益を得る手法なども含め6~7年間の期間で検討するとしていたが、昨今の海外情勢の急激な変化による建設資材の高騰で建設費用の増大が見込まれるため、よりスピード感をもって事業に取り組むことが望ましいとして、自治会館建替えと収益施設の整備を分割して新会館の建て替えを先行することとした。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.