高速道路の橋梁耐震補強を加速 片側施工など導入へ(NEXCO東日本ら)

[2024/1/16 千葉版]
 NEXCO東日本など高速道路会社4社は、高速道路の耐震補強に関する実施計画をとりまとめた。片側施工などの整備手法を導入し、橋梁の耐震補強対策を加速する方向性が示されている。千葉県を含む地震発生確率が高い地域については、2030年度の完了を目指している。

 13日に開かれた「高速道路における耐震補強対策の効率的な進め方に関する検討委員会」(委員長・大町達夫東京工業大学名誉教授)で、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、JB本四高速の高速道路会社4社が示した。

 高速道路会社では、大規模地震発生時の緊急輸送道路としての機能を確保することにより、円滑で迅速な復旧活動を支えるため、橋梁の耐震補強対策を進めている。

 「落橋・倒壊を防止するために必要な対策」は完了済み。「橋としての機能を速やかに回復させるために必要な対策」を進めており、大規模地震の発生確率が高い地域では21年度まで、そのほかの地域では26年度までをそれぞれ完了目標として事業を進めてきた。

 22年度末時点で高速道路4社が管理する1万7605橋のうち1万3600橋が完了し、進ちょく率は77%にとどまる。険しい山岳部や河川の渡河部、高架下占用や幹線道路との近接箇所が多い都市部など、施工上の制約がある難工事の箇所で事業の進ちょくが遅れている。

 これらを踏まえ、高速道路4社は、耐震補強対策を効果的・確実に進めるため、実施計画を策定した。入札不調対策や新技術の採用に取り組むとともに、高速道路会社の組織体制を強化し、耐震補強対策を加速化。上下線の橋脚が分離している橋梁では、どちらか一方の橋脚補強を優先するなどの手法を採用する方針だ。

 本県など首都圏の多くが含まれる大規模地震発生確率が26%以上の地域では、30年度末までの地震時のミッシングリンクの解消を目指す。

 委員からは「実施計画はこれまでの進ちょく状況や効率的な整備手法、対策の加速化に向けた取り組みを踏まえると現実的で妥当」「さらなる工夫や努力により、1日も早く対策を完了させ、地震時のミッシングリンクの早期解消に尽力してほしい」などの意見が出された。

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