菊沢川測量を前倒し 補正予算の追加分 5事業30カ所に94億円(栃木県河川課)

[2024/1/16 栃木版]

 県河川課は12月補正予算の可決を受けて、追加分の主要事業箇所をまとめた。国庫補助と交付金をあわせ、5事業30カ所に合計94億8300万円を予算化している。一部を起債の償還に充てるほか、引き続き令和元年東日本台風で被災した河川の改良復旧に重点的に取り組むため、永野川の橋梁や秋山川の護岸、田川の河道掘削、巴波川の地下捷水路などに事業費を配分。このほか、武子川のJR橋梁の工事を委託するため予算を重点配分し、2024年度の事業化を予定していた菊沢川は前倒して本年度から測量や調査に着手する。

武子川JR橋梁の工事委託へ

 事業費の内訳は、河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)が5億5000万円、大規模特定河川事業(補助)が12億1500万円、安全な川づくり事業(防災・安全交付金)が31億1800万円、同事業(重点)が6億円、改良復旧事業が40億円となっている。

 激特事業は、巴波川の地下捷水路工事の24年度分から3億円を前倒して追加する。この工事は、栃木市の市街地の地下に延長約2.4kmの捷水路(トンネル)を整備するもので、奥村・岩田地崎JVが施工している。

 また秋山川では、菊沢川放水路合流点から下流約3000mの河道の掘削や拡幅など河川改修を実施しており、今回は2億5000万円を追加して引き続き掘削や護岸の工事などを推進する。

 大規模特定河川改修のうち、武子川の深津工区には4億円を追加して、JR日光線橋梁の架け替えに着手する。この工区は延長4300mの河川改修事業に15年度から着手し、下流側の市道若林橋から県道武子川橋までの延長700mが完成。その直上流に位置するJR橋梁架替含む延長350m区間には国庫補助事業を導入し、22年度に詳細設計を策定していた。本年度内にもJR東日本と工事の基本協定を締結して、橋梁架替を着工する。

 防災・安全交付金の重点事業では田川に6億円を追加して、既に発注済みの調整池工事分の県債の償還に充てるほか、一部を河道掘削の24年度発注分に充当する。

 防災・安全交付金ではこのほか、24年度から開始する菊沢川の河川改修事業を前倒し、本年度から測量や用地調査を実施する。事業区間は、下流端の県管理区間から上流端の国道50号上までの延長約3300mとし、国道50号沿線開発事業(新産業団地整備)と連携して事業を実施する。

 また、武名瀬川では境橋の橋梁下部工の償還のほか、橋梁上部工の事業費も追加。小薮川も黒岩堰の下部工の償還と上部工の工事費、江川(烏山)喜連川では境目橋の下部工の償還と上部工の工事費を追加している。

 改良復旧事業は、永野川の堀削や護岸、橋梁工事の県債の償還に40億円を配分する。

 補正で追加された主な事業実施箇所は次の通り。(▽河川名(市町名)=[1]予算額(単位・万円)[2]事業内容)
【河川激甚災害対策特別緊急事業(補助)】
〈栃木土木〉
▽巴波川(栃木市)=[1]3億0000[2]地下捷水路
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]2億5000[2]堀削、護岸、用地補償
【大規模特定河川事業(補助)】
〈宇都宮土木〉
▽姿川〔大谷〕(宇都宮市)=[1]1500[2]大谷橋道路改良(負担金)
〈鹿沼土木〉
▽武子川(鹿沼市)=[1]4億0000[2]JR橋梁、護岸
〈栃木土木〉
▽巴波川(栃木市・小山市)=[1]4億0000[2]堀削、築堤、樋門設計
▽杣井木川(小山市)=[1]2000[2]用地調査、地下水調査
〈安足土木〉
▽旗川(足利市)=[1]6000[2]護岸、掘削
▽名草川(足利市)=[1]3億2000[2]用地補償、護岸
【安全な川づくり事業費(防災・安全交付金〔重点〕)】
〈宇都宮土木〉
▽田川(宇都宮市)=[1]6億0000[2]調節池工事、河道堀削
【安全な川づくり事業費(防災・安全交付金)】
〈河川課〉
▽県内=[1]3億0000[2]洪水浸水想定区域図作成
〈宇都宮土木〉
▽武名瀬川(上三川町)=[1]2億7000[2]橋梁下部工・橋梁上部工(境橋)、護岸
〈鹿沼土木〉
▽武子川〔仁神堂〕(鹿沼市)=[1]6000[2]橋梁詳細設計(天神橋、山下橋)
▽小藪川〔楡木〕(鹿沼市)=[1]2億5000[2]堰下部工・堰上部工(黒岩堰)、護岸
▽思川〔深程〕(鹿沼市)=[1]2000[2]用地補償
〈日光土木〉
▽田川〔上流〕土沢(日光市)=[1]3000[2]橋梁下部工(下阿久戸橋)、護岸
〈真岡土木〉
▽五行川〔本川〕(真岡市)=[1]6000[2]護床工、堀削、護岸
▽百目鬼川放水路(益子町)=[1]1億5000[2]堀削、護岸
〈栃木土木〉
▽思川〔乙女網戸〕(小山市)=[1]2億0000[2]堀削
▽思川〔黒本飯塚〕(小山市)=[1]4000[2]築堤、舗装
▽思川〔惣社国分寺〕(栃木市)=[1]1000[2]補償工事
〈矢板土木〉
▽江川〔烏山〕喜連川(さくら市)=[1]1億3000[2]橋梁下部工・橋梁上部工(境目橋)、河道設計、用地補償
〈大田原土木〉
▽鹿島川(大田原市)=[1]1億3000[2]函渠工(神明橋)、調節池堀削、NTT補償
▽熊川(那須塩原市)=[1]5億0000[2]掘削、護岸
〈烏山土木〉
▽荒川〔向田〕(那須烏山市)=[1]2億8800[2]堀削、護岸
▽荒川〔三箇〕(那須烏山市)=[1]5000[2]樋管設計
〈安足土木〉
▽秋山川(佐野市)=[1]4億7000[2]堀削、築堤、護岸
▽姥川(足利市)=[1]5000[2]築堤、護岸
▽菊沢川(佐野市)=[1]8000[2]測量、用地調査
▽旗川(足利市)=[1]3000[2]掘削(伐採)、用地調査、用地補償
【改良復旧事業】
〈栃木土木〉
▽永野川(栃木市)=[1]40億0000[2]堀削、護岸、橋梁

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