保健医療大の機能強化 整備方針など検討へ (千葉県)

[2024/2/24 千葉版]
 県は、保健医療大学(千葉市)の機能強化に向けた検討に乗り出す。2024年度予算案では新規事業として調査委託料1900万円を計上。外部有識者検討会を設置し、キャンパスの立地や施設の整備方針、大学院設置の可能性など、具体的な方向性を検討する方針だ。

 開会中の県議会で熊谷俊人知事は「在宅医療の進展や複雑化する地域課題などの環境変化に対応するためには保健医療人材の育成が急務。保健医療現場の実情を踏まえた施策提案ができるシンクタンク機能のさらなる強化も必要」と話した。

 同業務では、学部・学科の構成や教育内容、大学院の設置可能性、キャンパスの立地・施設設備の整備方針などの調査を実施し、機能強化の具体的な方向性を検討する。県医療整備課によると、業務はプロポーザル方式で委託する方針だ。

 併せて、保健医療職能団体や大学関係者など外部有識者を含めた検討会を設置し、調査の内容や手法などについて意見を聞きながら進めていく。

 保健医療大学は、県内唯一の県立大学として、県立衛生短期大学と県医療技術大学校を統合し、09年4月に開学。県立衛生短期大学が幕張キャンパス(千葉市美浜区)、県医療技術大学校が仁戸名キャンパス(千葉市中央区)となっている。

 健康科学部の看護、栄養、歯科衛生、リハビリテーション4学科を設置。リハビリテーション学科の3・4年生が仁戸名キャンパス、それ以外の学生が幕張キャンパスに在籍している。

 幕張キャンパスの敷地面積は4万3300平方m。施設は事務棟や教育棟A・B、図書館棟、学生ホール棟、講堂、体育館など延べ約1万5000平方m。1980年に完成し、築43年が経過している。

 仁戸名キャンパスの敷地面積は約1万5000平方m。施設は東校舎棟、講堂・図書館棟、研究棟、体育館など延べ5500平方m。東校舎棟は90年に竣工し、建築から30年が経っている。

 2023年3月までの累計卒業生数は1958人。卒業生の多くは、県内の医療機関や自治体などに就職しているという。

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