松田新田浄水場を耐震化 上下水道事業 下水道は雨水幹線整備(宇都宮市)

[2024/3/7 栃木版]

 宇都宮市は、市上下水道局庁舎で第3回上下水道事業懇話会(座長・太田正作新学院大学経営学部長)を開催し、上下水道事業の概要などについて協議した。2024年度の予算規模は水道事業が206億7753万円、下水道事業が293億2895万円で、このうち建設改良事業は水道事業が81億4000万円、下水道事業が91億5000万円となっている。水道事業では老朽管の更新を進めるほか、松田新田浄水場の耐震化や設備更新など各種施設の更新を行う。また下水道事業は、管渠耐震化や雨水幹線整備事業などのほか、川田水再生センターや下河原水再生センターの整備を進めていく。

 水道事業の経営分析で、24年度は施設の老朽化の度合いを示す有形固定資産原価償却率が52.5%と微減になったが、管路の老朽化度合いを示す管路経年化率が21.2%と年々上昇傾向にあり、更なる更新需要の増加が見込まれる。下水道事業の有形固定資産原価償却率は46.4%と旧生活排水処理事業の統合で微減となったが、管渠老朽化率が4.78%と年々上昇傾向にあり、今後の更新増加が想定される。

 市の24年度予算案で、水道事業は主な実施事業として、災害対策に2億2200万円を計上した。施設の耐震化では松田新田浄水場の配水池耐震化工事、管路では重要給水施設管路耐震化の基本設計などを進める。耐震化率の目標は、浄水場が24年度に91.8%、配水池が25年度に66%、基幹管路が26年度に75.9%を設定している。

 老朽化対策では、管路更新事業に老朽管更新工事(L2万3933mほか)などで51億2679万円のほか、施設更新事業は松田新田浄水場監視制御設備等更新工事や今市浄水場天日乾燥床更新工事などで13億5230万円を充当している。

 このほか、老朽配水管更新事業には51億2679万円を計上し、31件の設計業務や36件・総延長2万3933mの整備などを進めていく。

 DX関連ではICT事業に7651万円を計上し、人工衛星を活用した漏水解析、局庁舎のスマートオフィス化などを進めていく。カーボンニュートラル関連では、施設照明LED化などに9811万円を計上。このほか、安全で安心な水道水供給では活性炭注入装置の購入で3173万円を計上している。

 給水スポット「宮の泉」も拡充し、泉が丘小学校・今泉小学校・城東小学校では校外にある水飲み場を高架水槽方式から直結給水方式の水道に切り替える。夏休みごろに外装工事を行い、9月以降に公開する。オリオンスクエアには、宇都宮市管工事業協同組合が寄贈した宮の泉を設置し、4月から供用開始する。

 下水道事業は、災害対策として施設耐震化事業に8億1815万円を計上し、管渠耐震化工事(1件・L206m)や継手耐震化工事(30カ所)、竹林中継ポンプ場耐震化工事、緊急輸送路管渠耐震化工事などを実施する。河田水再生センターの強靭化では、PPP手法導入可能性調査に1660万円を計上。中継ポンプ場耐震化率の目標は25年度に43%、重要幹線耐震化率は24年度に84.1%を設定している。

 雨水対策は、雨水幹線の管渠築造(実施設計1件、工事2件・L389m)などに5億3623万円、雨水貯留施設等設置補助金等に884万円、内水氾濫対策(合流改善施設電気設備設計、排水樋門更新工事ほか)に3億9776万円、河内水再生センター耐水化工事に1億円を計上している。

 老朽化対策では、下河原水再生センター再構築工事(第1期)に9億8560万円を配分した。水再生センターでは18億7355万円を計上し、川田水再生センターの2-2系消化槽改築更新工事や4系処理設備改築更新工事などを行う。老朽下水道管の改築・更新は9億7848万円を計上し、3件の設計業務や2件・総延長672mの工事などを行っていく。

 カーボンニュートラル関連では、省エネ事業に1億2813万円を計上して施設照明LED化などを行うほか、創エネ事業に5960万円を計上し汚泥消火設備増設基本計画検討業務や下水熱利用設備導入可能性調査などを行う。DX関連では、マンホールポンプ場の遠隔監視装置の設置などに3461万円を計上した。

 このほか、公共下水道整備では管渠築造工事(15件・L3819m)や舗装復旧などで8億3336万円、特定環境保全公共下水道整備では、管渠築造工事(18件・L2481m)、農集排接続工事、舗装復旧などで8億1214万円を計上した。清原水再生センター汚泥ポンプ増設工事、奈坪中継ポンプ場汚水ポンプ場汚水ポンプ増設の実施設計などには5440万円を計上する。

 県環境保全課は5日、2024年度地盤沈下対策精密水準測量業務委託の一般競争入札を公告した。履行場所は足利市ほか7市町で、履行期間は24年4月1日から25年3月31日まで。入札説明書は3月13日まで入札情報システム上で公開し、入札書を21日午後4時まで受け付けて、22日午前10時に開札する。紙入札も可能で、参加承諾願は7日までに提出する。詳しくは、県環境森林部環境保全課水環境担当へ。

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