国補46カ所に17億円 治山事業 新規で真名子の谷止工など(栃木県森林整備課)

[2024/4/18 栃木版]

 県森林整備課は、2024年度に実施する主な治山事業箇所を明らかにした。国庫補助は9市2町の46カ所を対象に、事業費17億3374万円を予算化。新たに真名子(栃木市)や野辺山(さくら市)などでの予防治山事業を実施するほか、地極沢(宇都宮市)や観音裏(日光市)などの事業完了を目指す。また県単事業は、7市3町の23カ所に1億6140万円を確保し、新たに小松沢(足利市)や戸雁沢(佐野市)、瀬尾沢川(日光市)などで工事を実施する。

 治山事業は、台風などで被災した林地の早期復旧および保安林の持つ公益的機能の維持増進を図るとともに、防災・減災、国土強靭化対策に資する渓間工や山腹工を実施するもの。大規模な災害箇所の復旧や現年に発生した災害箇所の緊急的な復旧には国庫補助を活用し、それ以外の小規模な災害箇所の復旧は県単事業で実施している。

 本年度の国庫事業の主な新規箇所を見ると、予防治山事業で真名子や野辺山に着手する。真名子は集中豪雨による土砂流出を予防するため、コンクリートの堰堤を24年度と25年度に各1基の、全体で2基整備する計画。本年度は上半期に測量と設計を実施し、下半期に1基の工事を実施する。

 野辺山は、山腹斜面の崩落防止のため法枠工を実施する。面積は450平方mで、事業期間は24年度単年度。こちらも上半期に測量・設計をまとめ、下半期に施工する。

 継続事業は、地極沢で4基の谷止工を23・24年度の2カ年で実施する。23年度は測量や設計を実施しており、工事は24年度に4基をまとめて行う。整備する堰堤は、幅が15mから20m、高さが5mの規模で計画している。

 大網(佐野市)は、全体延長555mの流路工を20年度から27年度までの8カ年で実施する。これまでに下流側で延長87mの工事を実施しており、本年度は引き続き123mの工事を実施する予定となっている。

 これらの事業のうち、本年度は復旧治山の塩の沢(那須塩原市)、予防治山の地極沢と観音裏、野辺山(さくら市)、林地荒廃防止の上寺沢(鹿沼市)、緊急防災減災対策総合治山の赤井原1(日光市)などで事業の完了を目指す。

 県単事業は、単年度施工を主体に23カ所で事業を実施する。主な箇所のうち、小松沢(足利市)は174平方mの法面緑化工を実施し、戸雁沢(佐野市)は既設流路の排土工を行う。前沢(矢板市)は、既設流路の根継工を実施。塩釜(那須塩原市)は落石防護網の新設と補修で、面積は新設が420平方m、補修が20平方mの計440平方mとなっている。

 また継続事業では、瀬尾沢川(日光市)で延長35mの護岸補修工を実施する。蓑沢(那須町)は、森林整備で山腹斜面に補植し緑化を図った箇所の面積1.13haで、本年度は下草刈りを実施する。

 主な事業箇所は次の通り。(▼は新規)

 《国庫》
【復旧治山】
▽大網(佐野市)=流路工
▽入沢(鹿沼市)=法枠工
▽塩の沢(那須塩原市)=法枠工
【山地災害重点地域総合対策】
▽山神(那須町)=谷止工
【予防治山】
▽地極沢(宇都宮市)=谷止工
▼真名子(栃木市)=谷止工
▽観音裏(日光市)=落石予防工
▼野辺山(さくら市)=法枠工
【林地荒廃防止】
▽上寺沢(鹿沼市)=谷止工
【緊急防災減災対策総合治山】
▽赤井原1(日光市)=谷止工

 《県単》
【県単治山】
▼小松沢(足利市)=山腹工
▼戸雁沢(佐野市)=排土工
▼瀬尾沢川(日光市)=流路補修工
▼前沢(矢板市)=流路補修工
▼塩釜(那須塩原市)=落石防護網補修
▽蓑沢(那須町)=森林整備

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.